納得できる業績評価を

成果主義

● 成果主義の本当の目的は何でしょうか 

★ 非効率な社員がいるから給与を下げたいのであれば

→ 報酬制度の改定ではなく地道な教育を

★ 給与を上げたい

→ 現在の処遇、評価体系で十分対応できます

★ 成果を上げた人により報いたい

→ 新しい処遇体系の導入は有効な手段の一つだが、報酬総額の低減を狙うものではない

→ ここで注意しなければならないのは“成果”とは何かということです

● 一般的な理解では成果を“数値化できる業績の達成度”としていますが、実際には、数値化が本当に可能なのか、業績と個人の貢献が直接的に結びついているのかどうかという疑問が常に存在し、成果主義というのは必ずしも成功していません

★ 営業担当者の売上数値は確かに数値で示せますが、前任者の売り込み努力がようやく後任者の時に実ったのかもしれませんし、売り込み先の会社業績が良かったためにタナボタ的に数字が上がったのかもしれません

★ このような数値目標に基づく成果主義では不公平感が残りモチベーション向上には繋がりません

★ さらに、間接部門などでは数値目標そのものが困難なことが多くあり、無理した数値目標の設定は業務改善に役立ちません

★ 本当の成果主義とは、成果をどのように定義するのかということから始まりますが、ここでは“組織目標達成のために必要な改善や効率化を個人の具体的な行動目標と達成時期として設定する”とします

★ 前にも述べたように、この際上司との密接なコミュニケーションと上司のアドバイスが不可欠になります。 

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● 仕組や制度はあくまでも道具であって、目的ではありませんので、制度を導入してもそのままでは業績に結びつくことはありません。 経済学的にいえばニュートラルだといってよいでしょう。 したがって、これらの施策が効果を生むためには明確な目的を提示し、一定の時間軸をもって導入することが大切です。 さらに、新しい道具を使いこなすには十分な準備と技術の習得が必要で、体系的な導入、定着化教育が欠かせません

  ★ あとでも説明しますが管理賞の役割が大きくなります
  ● リスクとリターンの関係を意識することも重要です
★ 経済全体が成長している時代においては、平均を超えない(すなわち低リスク)という意義はそれなりにありましたが、低成長の時代においてはリスクをとらない限り成長はありません
★ 高度成長時代とは平均値であっても経済成長と同一の成長率は期待できましたので、リスクをとるインセンティブは少なかったといえます
★ 低成長時代には自らの存在感を主張して初めて生き残ることができます。例えば
→ 市場平均より高い成長率を達成する
→ ニッチな市場で高付加価値を追求する
→ 市場創造によって圧倒的な存在感を確立する
★ リスクをとった行動に対する処遇としては、結果ではなくプロセスに対して一定の評価が与えられるべきでしょう。 しかしながら、企業目的から逸脱したリスクの選択は許されませんので、ここでも事前に十分上司との間で合意を取っておく必要があるのです
管理職

● このように実効性のある成果主義の導入には管理職の果たす役割が大きくなりますので従来どおりの年功序列的な昇格では指導力が期待できない場合があります。 これからは一定の管理スキルを持った、いわばプロ(専門職としての)の管理職が必要になります

★ 専門職というと技術や特殊な資格を持つ人というイメージが強く、社内でもそれほど多く存在しない特別な人という認識が一般的ですが、企業が様々な業種の繋がりとして成り立つ以上、もっと多くの専門職が存在してしかるべきだと考えます。 管理職という職種も“会社の方針を具現化する第一線の知識、経験の保有者”と規定すれば立派な専門職だと考えられます。 日本以外ではこのような認識がありますので、管理職層は必ずしも生え抜きだけとは限らず広く他社からの中途採用によって補充されていますし、一定期間が経過し次のステップに進む場合も必ずしもそのまま昇格するとは限りません。 次のステップで求められるスキルを候補者が保有しているか否かによって判断されています。 そのために様々な資格制度があり、また資格を保有する専門家が日本に比べて圧倒的に多いという事実も忘れることができません(下記一覧表を参照)

★ 会社の方針を具現化するためには

→ 部門に与えられた職務を各自に適切に割り当てること

→ そのためにはどの仕事がどの程度の難易度でどの程度の時間がかかるかを適切に見積もること

→ 困難が生じた場合に筋道を示せること

→ そのためには仕事の本質を知っていること

→ 次のステップを提示できること

★ 管理職は“偉い”わけではなく、このようなことができる“プロ”ということです

★ エンジニアが技術を持ち、経験を積み重ねたり勉強したりするのと分野は異なりますが管理職も同様の技術、経験の取得が要求されているのです

★ 年功序列で自然に良い管理職になることはないことが理解できます

→ 企業の責任は“求められる管理者像”を提示し、運用することにあります

事例:面白い統計があります

人口に比例するものと比例しないもの (日米比較)

 
日米比較.jpg
所謂コンシューマ製品については概ね人口比になっていますが、専門性の高い製品や資格は5倍以上の差があるのです。 もちろん制度や社会環境の違いがありますが、日本における専門的領域の狭さは特徴的です
● 専門家は必要か
★ 日本の社会では一般的に教育水準が高く、専門家でなくても短期間に専門的な知識、経験を習得し業務に就くことが可能と言われています。 これは多くの場合当てはまることだと思いますが、一方で世界中の企業と競争しなくてはならないグローバル化という環境の中で本当にこれだけで良いのでしょうか。 また、海外進出した場合の企業経営はどうあるべきなのでしょうか。

これからの経営として“本当の成果主義”を提唱します

  次回は報酬体系の格差と身分について考えてみたいと思います