その290        2020/12/28に掲載

コロナに始まりコロナで終わる2020年の意味を考える

今年はコロナで埋めつくされてしまいましたが大事なことを忘れてはならない

ということを改めて認識する必要があります

 

それは「政治は結果が全て」ということですが、企業トップにも当てはまることです

政治は常に流動的で誰にもわからない将来の判断を迫られますが事後的にその判断が

正しかったのか或いは間違っていたのかを問われます


論理的、法的には誤りでも結果が良ければ国民は従います

 

逆に法的には正しく、論理的であっても結果が伴わなければ退場を迫られます

 

これを前提に先の安倍元首相の会見を評価してみました

 

自分は法律違反はしていないということですが、結果的に誤った答弁をし、事実と

異なる説明を国会の場で行ったという事実は消えませんし、結果として事実誤認が

あったのであれば政治家としての責任は免れません

議員辞職に値します

 

何故か?

 

 これだけ話題になったにも関わらず秘書に真剣に問い合わせたのかが不明

 

 秘書が嘘をついていたのなら、秘書に対する責任追求或いは処罰はどうしたのか

 

 秘書が政治資金報告書に過誤で不記載にしたのなら、そのような人物を

  全面的に信頼して良いのか

 

そして最後に、結果として国会で誤った答弁を何度もしたわけですから秘書に対する

監督責任、事実確認を怠った怠慢があるわけで政治家としての資質に欠けている

ことは明白です

 

防衛省からレーダーで国籍不明機が首都突入しているという報告を受けて防御

ミサイルの発射を指示したらレーダーの見誤りだったという報告を事後に受けても

取り返しはつかず重大な責任が発生し、誰かのせいにすることはできません

報告が間違っていても確認の手順を取らなかったことに対する責任は取り返しが

つきませんし、間違った情報だったから自分に責任はないとは言えません


企業でも政府でも責任者は部下の過ちでも自ら腹を切る覚悟がなければなりません

振り返って政府のコロナ対策が後手後手にまわり有効な対策や明確な指針が出せ

なかった大きな理由は「政治主導」ではなく「役所や審議会」に任せて結果責任を

避けようとした結果ではないでしょうか

 

メルケル首相やアーダーン首相そして蔡英文総統のようなリーダーを持たない不幸

をもう一度噛み締めてみる必要があり、また偶然にも皆女性です


女性活躍と言いながら夫婦別姓については消極的な老害男性中心の議員に対しても

明確な投票行動で新しい方向と将来への希望を抱けるリーダーを選別しましょう

その289        2020/12/21に掲載

携帯電話料金

政府が携帯電話料金の引き下げを目指して「競争原理を導入」したいとのことですが

本質を捉えているのでしょうか

 

アダム・スミスの富国論によれば完全で自由な市場では競争原理が働き「見えざる

神の手」によって需給の均衡点で適切な価格が形成されるとされています

しかし、いつの時代にも「完全で自由な市場」は存在せず、何らかの規制が必要で

規制が存在する分だけ本来の適正水準での均衡点からは異なる価格形成がなされる

というのが現代の共通した認識です

 

それでは日本の携帯電話市場はどうなっているのでしょうか

 

限定された電波を使う「土管」である通信ネットワークの建設・維持は認可制で

競争は著しく制限されていますがこれは諸外国とも同様です

 

「土管」を整備した会社はその建設費と維持費を通信料として回収しますので

通信料は高い方が有利ですし、限定された会社間ですから料金は高止まりする

傾向にあります

 

もし、日本のようにネットワークを持つ会社が端末販売も通信回線も同時に販売

できれば独占的な地位を維持できます


当初SIMロックがあってA社の端末を購入するとA社の通信回線を使用せざるを得なく

なると高い通信料が維持され、競争は通信料金ではなく、いかに多くの端末を売って

通信料を得るかということになりますから端末の値引き販売で囲い込みをするという

構図ができあがりました

 

SIMロックが消滅した後は他の回線への切り替え手数料で囲い込み、今回それも

消滅するのでようやく少し競争できるようになりましたが、本質は回線を独占的に

保持し続けることで格安携帯への回線使用料は高値維持できますので、競争条件は

公平ではありません

 

ではなぜヨーロッパでは安くなったかというと、回線使用契約と端末販売が分離

されているからでヨーロッパ共通規格であれば他国で購入した端末をそのまま

使用できるので端末の安値販売で顧客を囲い込み高い通信量を取るとこが難しい

からです

 

世界的に見て単価の高いiPhoneのシェアが異常に高い日本は廉価販売と高い通信料

での端末値引きの回収という歪な構造によるもので、回線使用料の競争がないことに

原因があります


本当に携帯料金を引き下げようとすれば政府が価格にまで規制をかけるのではなく

回線と端末販売を分離すれば本当の意味での競争が起きて自然に価格は下がりますし

消費者はサービス内容で通信会社を選択することができます

その288        2020/12/14に掲載

デジタル化は言葉の定義とデータ共通化

突然デジタル化が唱えられていますが、早急な実現は難しいでしょう

 

まず言葉の明確な定義が必要ですが多くの法律は解釈可能な文章になっていて

特に「等」という言葉が多用されていて、官公庁にとっては解釈でどうにでも適用

できる便利な言葉ですが、デジタル化しようとすると障害になります

 

言葉の定義に従ってデータは数値化され記録されますが、その基礎となる定義が

曖昧ではデータ化された数値の有効性に疑義が生じてしまいます

 

百歩譲ってデータ化できたとしても次の課題はデータの共通化です

全てのデータが同じ定義に基づき個々のシステム内に記憶されていなければ集計も

分析もできません


少しわかりやすく最近の新型コロナ感染症に例をとって考えてみます

 

一つの指標として「重症者」と「受け入れ可能病床数」がありますが現状では

各都道府県によって定義が異なるので現状では集計、比較は困難です

また、「受け入れ可能病床数」についても必ずしも今すぐ患者の受け入れが可能な

ベッド数ではなく、行政が拡大要請している将来可能なベッド数であり設備、人員

ロジスティックを考慮した結果ではないので、いつ、またどの様にすれば可能なのか

は不明ですし主観的判断が入り込んでいます


データの共通化はこれらの数字が同じ定義に基づいていることを前提に集計、分析

されるので共通化しようとしているデータが全て個別システムに蓄積されている必要

がありますから、監督官庁は必要データを認定し、そこに含まれるデータ内容を

公開し関連システムの管理者に指示し実行させなければなりません

 

各システム管理者はこれらを最低必要データとし、その他追加データが必要であれば

それらを追加するということになります

 

ゼロからスタートするのであれば比較的簡単ですが、既存のシステムやデータを

改修するのであれば莫大な時間と費用がかかりそれを指示できる協力な力が不可欠

です

 

たったこれだけのことでも大変な努力が必要ですしシステム改修にも莫大な費用が

かかります

 

しかし、やらなければならいことですから時間をかけて何故、何が、どうして

必要なのかを広く知らしめることが肝心でしょう

 

因みに必ず話題になる「マイナンバー」は上記3つが不明ですからいくら呼び掛け

ても登録が少ないのでしょう

その287        2020/12/7に掲載

本質を捉える知

社会で起こっていることのおかしなことを取り上げてきましたが、年末そして

感染拡大を受けて少し我が身を振り返りながら反省をしてみました

 

冒頭の言葉は、私の母校でもある東大の小宮山宏元総長が日経新聞の「私の履歴書」

で書いていた総長時代に学生に向けて発信した言葉の一つです

 

本質を捉える知

 

先頭に立つ勇気


他者を感じる


というのが三つのテーマで、優秀でもなかなか社会の先頭に立つ人材が少ない

東大卒業生に対するメッセージです

 

自分自身に引き換えて考えてみると本質を捉えているのですがなかなか先頭に立って

ことをなすことができなかったように思えます

 

他者を感じる力が強過ぎて結果の先読みをしてしまい強く出られなかったという

のが本音です

最も会社生活の中では規則破りの常習者で、最後の職場が内部監査だったことは

皮肉な巡り合わせですが規則破りをやっていたおかげで不規則な業務を見つける

ことには大変役に立ちました

 

何故規則破りをやっていたかと言うと時代の変化に追随できていない規則や

緊急時に状況判断して最適な行動を取ろうと思っていたからで、自分の判断には

絶対的な自信があったとも言えます

 

円高不況や石油ショック時に経費削減、特に海外出張の削減に対しては営業が

出張しないではビジネスが成り立たないと事業部で予算を確保し、営業部門には

自由に出張してもらい大きな成約を勝ち取ったこともあります

 

阪神淡路大地震の時には関西地区の責任者に全権限を与え、予算も自由、決裁も

独自判断で本社に相談無用というような超法規的な措置も取りました

 

先頭に立つ勇気というのはリーダーとして皆を引っ張るということのみならず

最善の判断をし、責任は取るということなのかもしれません


お陰で会社内での出世はありませんでしたが、悔いのない会社生活だったと

感じています

その286        2020/11/30に掲載

田植え理論

私が入社した頃は田植えは手作業でした。今のように機械であれば少人数で

素早くできるのですが、手作業だと周囲の協力がないと田植えができません

また、雨が降れば延期されますし、突然晴れたら急に田植えになります

タイミングがありますからのんびりと決められた通りにやっていては全ての作業が

終わらなくなりますし、必要な準備も整えている必要があります

 

また、当時は今と違ってあちこちでストがありました。会社でも◯◯闘争

国鉄(JR)△△闘争と言ってストを断行したものです

 

その時ある工場長曰く「田植え理論」と称してスト解消前から組合員と再開準備を

始めていました。24時間連操の電気炉を持っていた工場なのでスト解除から準備を

始めたのでは電気炉の温度上昇に半日はかかってしまいます

 

そこでスト解除の方向が見えて来ると組合幹部と交渉し電気炉のスイッチを入れ

監視担当者に張り付かせ、スト解除となったら直ちに操業に入るような体制を

組合と連携して進めていました


最近のコロナ対策の施策を見ていると全てが後手後手、対症療法、結果が出てから

対策を考えるので拙速、抜け穴だらけになってしまっていて田植え理論のような

準備ができていません

 

何をやるにも準備が必要で、その期間がどのくらい必要かというのはそれまでの

経験から十分に把握できますし、将来のことですから可能性のある事態をいくつか

シュミレーションしてそれぞれについて対策案を立案し、準備することが遅滞なく

次のステップに進める方策です

 

立派な学校を出てそれなりの経験があるにもかかわらずこのような準備ができない

のには二つのことが考えられます

 

一つは無駄なことはしない。可能性のあるオプションをいくつか考えるのではなく

結果が出ていることに対してだけ考えるという手抜き

 

二つ目は責任を取らない。複数のオプションを作成することの余計な予算と時間が

後で非難されないように事前準備をしないという手抜き


Time is Moneyという発想はありません


多くの国では必ずシュミレーションをしてその中から状況に合った最適解を見つける

ということをしていますので、コロナ対策で見られるような対症療法的アプローチ

では対外交渉で先手を取ることはできません

 

田植えの機械化で発想も貧困になってしまったのでしょうか

その285        2020/11/23に掲載

日本版緑の党は可能か?


ヨーロッパ特にドイツから始まった緑の党運動は小さな市民運動、あまりに過激な

主張で実現性に疑いが持たれたものですが約20年経過した現在ではドイツの

連立政権の一部になりましたし、他の国でも確実に市民権を得てきました

 

一方、日本ではどうでしょうか?

 

残念ながらここでも世界の潮流から遅れています

 

そこで私なりの提案を纏めてみました

“GREEN”というと“守る”と同義語と理解され“進歩”や“技術革新”を目指していない

という受け取られ方がありますがそうではありません

 

既に半世紀前のことになりますが、カリフォルニア州でマスキー法が制定され

全世界の自動車メーカーが達成不可能と声高に叫んでいた時、ホンダがCIVIC

CVCCを開発し四輪でも世界の主要メーカーになった事実があります

厳しい規制が技術革新を生み出しこれをきっかけに車のクリーン化は急速に進み

ました

 

まさに“グリーンが技術革新”を生んだのです

 

それではこれからのグリーンは何でしょうか

エネルギー源を再生可能資源に求め、動力としては電気が主流になるでしょう

一つの議論として発電のため化石燃料あるいは原子力が必要という主張があります

しかし水素発電をすれば、化石燃料も原子力も必要ありません

 

課題はどうやって水素を調達し、また電気をどうやって貯めるかというのが

技術的な挑戦です

 

水素自動車や高性能蓄電池と言われていますが、私は大規模水素発電を原発跡地で

行い、水素は南太平洋諸国で太陽光発電をし液体水素として輸入することを勧めます

これによって産業のない南太平洋諸国に所得を生み、液体水素タンカーで造船業

に活を入れ安定的な電気の供給で様々な電気を動力とした産業に革新を生み出す

ことで産業の活性化を促すことができます

 

もう一つ、小規模水力発電というアイデアもあります


農業用水などに設置し、個人あるいは数軒に供給すれば遠隔地まで送電線を引く

必要がなくなりますし、水はそのまま流れるのでなくなりません

既にこのような超小型発電機はありますが、様々な規制で実用化されていません

 

まさに規制改革が必要なのです

 

どの政党がこのような主張をできるかがこれからの政権のあり方と日本の将来を

決めるのではないでしょうか 

その284        2020/11/16に掲載

予見力と決断力


誰にとってもこの二つは難しいものです

 

株価の将来が予見でき、借金をしても投資する決断力があれば大金持ちになれること

請け合いですが、残念ながらそのような力は誰も持っていません

 

近年のIT技術やAI技術の進歩で将来を予測する能力は相当高くなり天気予報の当たる

確率も高くなってきましたが、膨大なデータを解析できるようになったことと気象

のメカニズムがわかってきた事が貢献しています

 

しかしビジネスや政治の世界ではまだまだそのような技術が十分発達していません

ので個々の責任者の判断が重要になってきます


ビジネスの世界ではマーケティング理論等である程度予見できるようになった分野

もありますが最近の業績発表で「一転黒字」とか「一転赤字」と言った事がある

ように実際には不確定要素が多く残されているというのが現実で、その為に

経営者の判断が重要です


一方、政治の世界ではもっと不確定要素が多く予見能力と決断力がより求められて

います

 

現在の議員を見ると官僚出身者が多くなっています

 

官僚の特徴は“既に起きたことを過去の例に照らして法律の範囲内で解決策を求める”

ということにあり、判断が急激にまた何の脈絡もなく変更され、それが社会に

大きな影響を与えることを防ぐことで体制の安定性、国民から見た場合予測し

やすい環境を整備することにあります

 

政治の世界では“将来の不明確性に対して指針を求められる”ことにあるので

官僚の発想とは正反対にあり時として新しい法律を作ることも求められます

 

その出身母体がどこにあれ、議員個人の資質によって官僚的発想から政治的発想に

転換することはできるのですが、最近の言動を見ると残念ながらそのような転換が

あったとは思えません

 

記者会見やインタビューで原稿を読みながら話をすることに明瞭に現れていると

感じられます

 

経営者も政治家も社員や国民から求められているのは誰にもわからない将来に

ついて明確な指針を示すことで、そのためには自らの「予見能力」と「決断力」を

磨き自らの責任で発言することでしょう


過去の偉大な経営者、偉大な政治家はこの二つを備えていたからこそ評価を得られ

ていました 

その283        2020/11/9に掲載

丁寧に説明するとはどういうこと?


最近の発言、特に政治家の間でこの言葉がよく使われます

 

丁寧に説明するとは一般的には詳細に説明すると同義語と考えられますし、当然

論理的で説明に筋道が立っていることが求められます

実際はどうでしょうか

 

丁寧に説明したから質問は受けません、どんな質問であれ直接的な回答ではなく

同じことを延々と説明するのであれば質問に答えたことにはなりません

説明責任が責任の所在を示すのではなく、説明の場を設けることとなりそこで所謂

丁寧な説明がなされるのでは結局何も語らず、責任の所在を明らかにせず、責任を

とらずになってしまっているのでは無いでしょうか

 

隠れ蓑としての丁寧な説明では会見する意味がありません

 

ちょうど大接戦だったアメリカ大統領選挙の結果がようやく出て民主党のバイデン

候補が次期大統領になることが確実になりました

トランプ大統領は訴訟に持ち込むと言っていますが訴えるべき不正の証拠が無く

順番が逆になっています。普通の論理思考では何らかの証拠がありそれに基づいて

訴訟を起こすのですがトランプ流では先に結論があって後付けで理由を探す事に

なることが多くあります

 

丁寧に説明とは対極にあるように見えますが、実際には同じような思考パターンに

なっています

 

事実の積み重ねから状況把握し、結論を導き出すのではなく結論ありき、しかも

その結論は絶対的に正しいという前提で判断がなされています

 

大変危険な思考方法で、事実がねじ曲げられてしまう危険をはらんでいます

 

バイデン次期大統領の演説にもあるように時として民主主義のプロセスは複雑で

忍耐を要することがありますので、簡単に結論にジャンプするような思考方法

からの脱却がますます求められこととなります

その282        2020/11/2に掲載

本質は何か?を問う大切さ


最近話題になったJOB型雇用で考えてみます

 

人口減少で日本の人口構成はピラミッド型から聖火台型に変化し若年層が少なく

なっています。それに伴い、企業でも永年勤続と年功賃金という処遇制度の

維持が難しくなりJOB型雇用ということが言われ始めました

 

新卒採用の若手社員を比較的定型的な仕事から始めて、徐々に階段を上がり高度な

仕事へ、それに伴い賃金も上昇するという旧来型の雇用が若年層の減少、中高年に

よるポスト独占で昇進機会が失われ、組織全体の活力が無くなり経済成長率の低下

へと繋がってしまい、一つの解決策として非正規社員の増加とJOB型雇用が出現

したと言えます

 

会社全体から見ると年功賃金のため、人件費が上昇しているにもかかわらず生産性の

上昇が低下し相対的なコストが上昇してしまいましたので、対応策として定型的な

仕事の非正規社員への置換と若手社員の登用のためのJOB型雇用(JOB型賃金)が

導入されたと考えられます


しかし、本質的な変化とその対応策は何なのでしょうか


JOB型雇用やJOB型採用とは職務記述書が明確で仕事の定義や責任が明瞭で

それに従って上司は仕事を割り振り達成目標と達成時期を明示するという仕事の

やり方ですから、組織全体がそのような体制になっていない限り上手な運用は

できません


多くの企業では職務記述書は漠然としており上司の責任範囲と権限、更に従業員の

職務権限と責任が曖昧になっているので継続的な上司からの指示とチェックがない

と業務が遂行できないようになっています

 

このような組織体制や仕事の進め方を変更したという話は聞きませんし依然として

新卒採用を継続しています


本当にJOB型ということであれば未経験者の採用はありませんし、諸外国では不景気

になると真っ先に新卒の採用が止められます。未経験者の採用は不経済だからです

 

人口構成の変化は現実ですし、今後少なくとも四半世紀は継続します

 

処遇制度を見直すのは必要ですが先ずは各企業が組織のあり方、仕事の定義

管理者教育といった本質的な課題に取り組み、その上で戦略的に採用や処遇の

制度設計を行う必要がありますが、このような議論を聞いたことがありません

 

技術力のある中小企業ではこのような処遇ができていることが多く見受けられ

名前やムードに捉われない本当の実力が備わっているのはどうしてでしょうか

 

新卒採用、入社時の序列で物事を判断し猛烈な勢いで変化している世の中の動きに

追随できていない大企業が行き詰まってしまっているのが今の状態だと感じられます

その281        2020/10/26に掲載

覆水盆に返らず は死語?


盆の水を流してしまえば元に戻せないという太公望の言葉ですが、言葉も一度口から

出てしまえば取り消しはできません


もちろん、言い間違いはありますがその場で訂正することはできても後から、特に

外部から指摘されてからの訂正はできません

 

政治家の場合はこのことが厳しく問われることになり、かつての大平首相は

「えー」「あー」という後にやっと言葉が出てくるので「讃岐の鈍牛」と呼ばれ

ましたが、本人曰く責任者の発言は多方面に影響があるので『あー』と言いながら

考えて、『うー』と言いながら文章を練って、それから言う癖がついてしまいました

とのことで、論理は明解で話した言葉がそのまま記事にできる話し方であったと

田中角栄首相が言っていました

 

中曽根首相も記者のインタビューを受ける時は日時を指定し、その間に周到な準備

をして対応し、発言がそのまま新聞の見出しになるような言葉だったという証言が

あります

 

当時の政治家は発言に対しこのぐらい慎重であり、熟慮し、意図を正確に伝えようと

していたと言うことで、それだけに政治的立場を超えて発言が重みを持っていました

 

これらと比較して最近の「事件」を考えると悲しいほど状況が劣化しています

某女性議員のように自らの発言を議事録を精査してみたらそのような発言があった

ので「ブログで訂正します」と言ったり、自らの著書に記述したことを質問されても

誰が書いたのか知りませんと言ったり言葉に出すことの意味を理解しているのか

疑わしくなります

 

発言したことを時間が経って非難されると「発言を撤回しお詫びします」と言ったり

「発言を訂正します」と言うのであれば、言いたい放題で責任は感じないと言う

ことなのでしょう

 

日本には俳句というたった17文字にあらゆる情景や感情を表現する文化があるの

ですが、このような熟考した言葉遣いが無くなってしまったようで悲しいことです

 

文化は経済がピークから落ち始めたときに栄えるという歴史があり、安土桃山文化

元禄文化といった歴史に残る時代がありましたが、文化が衰退するということは

経済のピークを過ぎて、さらに文化のピークも過ぎ、本当に没落の時代になって

しまったということなのでしょう

 

この停滞感を打破するのは若者ですが、最近の若者に元気がないのが心配です

その280        2020/10/19に掲載

明治23年を超えられない


明治23年は明治維新から23年目にしてようやく議会が開設され本格的な民主主義

の端緒についた時です

 

明治維新で徳川幕府は倒れ天皇制に復帰し薩長を中心とした新政府ができ各官庁も

創設されましたが所謂『明治革命政府』であって選挙によって選ばれた政府では

ありませんし、現代のような議院内閣制でもありません

 

当初は首相と参与による少数の独裁的な政府で、のちに内閣制度が整備されましたが

現代の内閣制度とは異なるものでした

 

混乱からの脱却、新しい政府機関の創設、諸外国との交渉、富国強兵、財政基盤の

整備といった喫緊の課題が山積されていたので選挙による代議制や議会の開設は

後回しにして山積する課題の解決を優先させました

 

しかし西南戦争後明治も10年を経過する頃から自由民権運動が活発になり、主に

議会の開設が要求されることとなりようやく明治23年になって最初の帝国議会が

開かれました


もちろん非常に制約的な選挙によって選ばれた議会ではありましたが形式は整った

ものの議院内閣制ではなく、元老院の推挙に基づき天皇から大命降下されるという

形式でしたから議会の力は限定的でした

 

徳川幕府の時代から近代化を急速に進めなければならなかった当時の日本では

効率性と即効性、行政中心の施策による急速な改革が行われたため、様々な法律も

当初は行政府が一方的に立案し施行し、議会開設後も行政に必要な手続きを立法化

するということで議会が憲法に則り必要な法整備をするという議会制民主主義の

考え方とは異なっていました

 

戦後の新憲法下では選挙で選任された議員が立法し、行政はその法律に基づき施行

することになっているのですが現実はほとんどの法律が行政府そのものが立案し、

自らにやり易い法律が内閣を支持する与党の賛成で成立するということで、いまだに

 

明治時代の行政至上主義が残っています


つまり明治23年を超えていないという訳です


民主主義は不自由なものです

しかし、手続きと論理は重要であり国が成り立つ唯一の根拠である筈です

諸外国の議員の多くが法曹資格保持者であることと明確な差のある日本の議員との

違いは国民が求めていることの違いにあるのでしょう

 

「オラが町に新幹線を!」ではなく「新幹線はこのような考え方で整備を!」

となるかどうかがこれからの国の運命を決めてゆくのではないでしょうか

その279        2020/10/12に掲載

勘違いでなく統治の不備?


またまた学術会議の件で申し訳ありませんが、とんでもないことになっていませんか

最近の菅首相の説明で「受け取った名簿は99人で全員任命し、拒否はしていません」

とのことですが、これが本当なら大問題です

 

菅首相曰く「任命権者として任命しないことがある」と言っていますが、百歩譲って

認めたとしてもあくまでも首相が首相の権限で判断し、任免を決めるということです


一方、今回学術会議は105名の推薦をしたとのことですから推薦名簿がどこかで

書き換えられ首相のもとには99人分しか届かなかったということです

 

つまり誰かが推薦人名簿から6名を削除するという判断をしており、首相に相談して

いないことになります

 

もし、誰かに権限委譲していたのであれば責任は権限委譲した人にあります

権限委譲していなかったのであれば誰かが越権行為で任命権を行使したことになり

統治上の大問題です


権限を委譲されていないにも拘わらず上司に報告をしていないということであれば

上司は報告のプロセスを見直し、違反者には処分をすべきですが、今回そのような

ことは報道されていません

 

6名を削除したという判断もさることながら意思決定のプロセスに瑕疵があることは

明白でこちらの方がはるかに大きな問題です

 

判断の是非は様々な意見があり得ますので場合によっては多数が反対する結果が

採択される可能性もあり、そのこと自体に違法性はありませんが、意思決定の

プロセスに問題があり本来なされるべき統治が不完全であるのならば政府機能

そのものの有効性が疑われてしまいます

 

よく言われる独裁体制下での側近の暴走というラスプーチンのような存在が

チラついてしまい民主主義が根底から覆される危険が迫っていることにどれだけの

人が気付いているのでしょうか

 

事実の再検証が必要です 

その278        2020/10/5に掲載

何か勘違いしていませんか?


政府が日本学術会議の任命を6人だけしなかったとのこと

学術会議の推薦に基づき首相が任命するという形式なので、外形的には任命しない

ことはでき、加藤官房長官の説明もそのようなものでした

 

しかし、首相の任命は形式的なもので正式な政府機関の体裁を整えるためであって

実質的な選任は学術会議に委ねられています

 

閣僚の任命が天皇陛下の名でなされるのと同じで、もし上記の行動が許されるなら

天皇陛下が閣僚の任命を拒否するようなものです

行政機関には実質的な任命権(例えば内閣閣僚)と形式的な任命権(例えば文科省

による国立大学学長)があり、形式的な任命では母体となる組織の推薦を尊重する

のが民主主義の基本となっています


トランプ流なのか首相が全ての権限を持っていると勘違いしているのでは無いで

しょうか

 

行政法では「不作為の作為」という考え方があります

 

簡単な例では、道路工事の際大きな亀裂を作ってしまい通過した車両に損害を与えた

ような場合は作為による結果ですから工事担当会社は責任を問われます

一方、大雨等で道路が陥没しているにも関わらず数日放置して警告の標識も出さな

かった場合は何もしていないのですから通常は責任が発生しません

ここを通過した車両が損害を被った場合は、自己責任として処理されることも

ありますが危険を認識できて放置した、あるいは警告の標識を出していなかった

とすれば「不作為の作為」として責任があるという考え方です

 

今回の学術会議の任命に当てはめると、推薦名簿と異なる人を任命したのであれば

作為による行為で責任を負う必要があります

また推薦名簿があるにも拘わらず任命しないのであれば、まさに不作為の作為と

なります

 

いずれの場合にしても判断基準は明確に示されるべきで加藤官房長官の「人事

に関わることは明示しない」というのは誤りです

 

記者の質問は「何故ですか?」というもので判断の基準を聞いたものです

判断基準を示した上で各個人についてどのように判断したかは任命者に委ねても

良いかもしれませんが、基準が示されないのであれば詭弁に過ぎません


いつも言っていることですが、民主主義とは不自由な制度です


その不自由さのお陰で暴走を抑えようとしているのですが、形式論で全てを

ぶち壊すような手法は決して容認されません

 

非常に重大なことですが、マスコミを含めて反応が極めて弱いことに危惧の念を

懐かざるを得ません 

その277        2020/9/28に掲載

日本の停滞はインテリが闘わなくなったから

建築家の安藤忠雄さんの言葉です

 

さらに「前に進むこと」とは、「問題を起こすこと」とも言っています

全く同感です

 

世の中が平和で問題を起こす人がいないことは必ずしも良いことではなく、進歩が

止まっていることと同義語なのかもしれません

 

Black Lives Matterデモの吹き荒れるアメリカは問題を沢山かかえながら、前に

進んでいてその歪みが様々現れているのですが、混乱の中から解決策を見つけて

前進、後退を繰り返しながら少しずつ前に進む努力をしているのではないでしょうか

 

一方、平和で混乱の無い日本は前進も後退もない状況です


1968年の大学闘争を経験した身から考えると、やはりその時の解決方法が間違って

いたということになります

 

大学闘争の発端となった東大医学部闘争の本質は暴力や混乱が目的ではなく

「真実の追求」と「社会の枠組みへの挑戦」「不都合な真実との対面」だったの

ですが、それを利用した思想集団の介入による闘争の変化、さらに曖昧で現状維持

を最大の目標とした妥協による解決がその後の停滞を招いたことは疑いありません

 

まさしくインテリが闘わなかったのです


人民裁判のような過激で長時間に亘る吊し上げに近い集団団交もありましたが

教授側からの論理的な反論は少なく、議論を闘わせる場とはならず報道を観た

外部の人からは力による強制だと思われました、しかし40年以上経過した最近の

教授達の回想による本音は「あの時もっと論理的に議論すべきであった」という

反省でした

 

インテリである学生に対し、インテリである教授が堂々と議論することなく、逃げ

回ったということになりこのような経緯は最近の政治家にも見られるのではないで

しょうか

 

不都合な真実に向き合わず、身を切る改革を実践しなかったことが今の低迷と混乱

そして現状維持のぬるま湯体質を育んでしまったと言っても過言ではありません

 

人間の集団には絶対的な真実はありません、いつも49.5%対50.5%というギリギリの

決断を迫られながら逃げることなくどのようにして49.5%の人達にも納得してもらう

ことができるのかというギリギリの選択を続けざるを得ないのです

 

その結果として一歩一歩前進できるのです 

その276        2020/9/21に掲載

何か間違っていませんか?

菅内閣が誕生しましたが、モットーが「国民のために働く内閣」だそうです

えっ!というのが最初に感じたことです

 

一見、その通りで違和感なく見過ごしてしまいそうで新聞論調も所謂コメンテーター

からも特に異論は出ていません

 

しかし、民主主義国家で選挙で選ばれた衆議院議員から選出される首相ですから

国民のために働くのは当然で、わざわざこれに言及するのはこれまでの内閣が

国民のために働いていなかったということでしょうか

 

一方で安倍政権の継続と言っているのですから、前政権も「国民のために働いて

いた」のでしょうね

 

森・加計・桜も国民のために真実に蓋をしたのでしょう

 

もう一つ、不思議なのはコロナ対策です

感染症対策をしっかりしてGoToトラベルで旅行に行きなさい、経済活性化ですと

言っていますが、マスク+接触しない+長時間対話しないという感染症対策と旅行や

帰省とは矛盾した指示で国民は混乱します


経済活性化は必要ですが、課題は「アクセルの踏み方」です

現状ではアクセルとブレーキを同時に踏んで頑張りましょうということで、いつかは

摩擦熱で発火しますし大変なエネルギーが必要です

 

政府の役割は「アクセルの踏み方」を提示することです


例えば、PCR検査は無料で自由に誰でも何回でも受けられます、検査の結果陰性で

あれば自由にGoToトラベルに参加して下さいといえば、旅行者も受け入れ側も

安心して楽しめます

 

このような施策とお金の使い方が「国民のために働く」ことではないでしょうか

世界の中での国家戦略の無い閉じこもりの矮小な内閣で携帯電話の料金引き下げが

政策のトップに来るのはどういうことでしょうか

 

携帯を大手3社に固定し、通信と端末販売の兼務を許可し、規制でがんじがらめ

の中での価格高騰は政府の政策の誤りの結果であって声高に料金引き下げを唱える

のはどうでしょうか、まさにお上の指導による料金操作で規制緩和とは正反対です

ここでも規制緩和の掛け声と実態の差異が見られます

 

政治に期待せず、自らの意思に従って清く正しく生きていこうではありませんか

 

でも、次の選挙ではしっかり見極めて投票しましょう 

その275        2020/9/14に掲載

天上がりとJOB型雇用

天上がりとは私の造語で天下りの反対に民間企業から官庁への天上がりです

この場合、天上がってそのままであれば、今度は天下りになるのでおかしなことに

なりますから、短期天上がりといったほうが正確かもしれません

理由は簡単で、民間の効率性の体験を官庁にも移植する、経済環境によって頻繁な

組織変更もある民間の組織運営のノウハウを導入することです

最近のコロナ対策のように未知の感染症への対策は様々な知見と経験、そして幅広い

議論で最適と思われる解を見つけ素早く実施し、経過を観察し有効でなければ即座に

変更をかけると言うことが大切で従来の役所仕事の流れでは対処できないからです

このようなことが実現されるためには民間企業でもJOB型の組織体制を構築する

必要がありますが、ここで大切なのは管理者の育成と教育です

最近急にJOB型雇用という言葉が踊っていますが、変革は容易ではありません

何故ならば根本的な目標の立て方、仕事の進め方が異なるので、雇用者よりも

管理者に対して求められる資質がこれまでと大きく異なるからです

場合によっては、従来の管理者は不適格かもしれません

各企業が早急に組織、仕事のデザイン、評価制度、報酬体系を見直さないとJOB

雇用への移行はできません

現在の論調では報酬制度を変えれば簡単に移行できるような論調ですが、言って

いる本人がJOB型雇用の本質を理解していないのではないでしょうか 

その274        2020/9/7に掲載

選挙とは

言うまでもなく、選挙は民主主義の土台です


旧聞で申し訳ないですが、選挙年齢が18歳に引き下げられた時多くの高校で新たな

教育がなされるようになっと言う報道がありました

 

高校生が投票する可能性があるから選挙についての教育をしようと言う趣旨なの

ですが問題はその中身です

 

何をやったかと言うと、学内に模擬投票所を作り投票のやり方を教えたとのこと

選挙年齢が20歳のときは対象者が社会人か大学生ということで、このようなことを

しないでも自分で判断、行動できると言うことなのでしょうが、今の高校三年生は

十分判断や理解能力は備わっていますしそれだからこそ選挙年齢を引き下げたので

しょう

 

本当にやるべき教育とは模擬投票ではなく模擬選挙で立候補者の主張をどのように

判断し、自分の考え方をまとめるかと言うことで、18歳に限らず中学や高校の

社会科の授業に取り入れても良いと思います

 

例えば立候補者が二人いて

 

Aさん:自分に投票してくれたら皆さんにおまんじゅうを3つあげます

 

Bくん:自分に投票してくれたら100円ずつ寄付して下さい、そのお金で

    公園の清掃を定期的に行います

 

と言うような政策を発表したとします

 

正解はありません

 

これについてクラスで議論をしてきちっと説明する練習、自分の考えをまとめる

練習をすればとても良い教育になると思いますが、このような取り組みをしている

学校を知りません

 

世の中は正解がない世界ですから、若いうちから悩み、事実を調べ、整理し

自分の考え方を整理することはとても重要ですが、今の偏差値一辺倒の受験体制

では望むべくもないのかもしれません

 

残念なことです 

その273        2020/8/31に掲載

改めて終戦の日を思う

最近「不死身の特攻兵」と言う本を読みました

題名は知っていましたが、先日町の図書館に行ったら現在私が住んでいる当別町の

出身だと言う説明があり、借りてきました

 

また、先日はネットニュースで台湾の特攻基地で特攻の命令書を書いていた方の

記事を読み、短いインタビューも見ました

 

95歳と言う年齢とは見えないしっかりした話し方で、しかも当時の命令書をさらさら

と筆ペンで書かれていたのは余程の苦痛だったため70年以上経っても書けると言う

ことなのかもしれません

 

このようなことが現実で、喧伝されているような美談は作られたものだと言うことが

はっきりわかりますし、疑問は戦後何故このような話が出てこなかったと言う事実

です

 

一般的には抑圧された状況から解放されるとその反動で時として実際以上に過去の

体験や意見が噴き出すもので、この状況は万国共通です

 

しかし、日本では少しずつしかも遠慮がちに現れ、多分多くの事実が語られないまま

閉じ込められてしまったのではないかと思います

 

しっかりとした歴史上の事実の観察と分析、そして反省が無かったためと思われます

未来は過去の上にしかないわけで、歴史をしっかりと事実として認識し、反省すべき

は反省し、残すべきものはきちっと継承することが進歩の第一歩と思います

 

他国と比較してこのような行動が見られないのは、最近のコロナ対策会議の議事録が

作成されないと言うことと共通点があるように思えます

 

戦後の民主主義とは単に自由を謳歌するだけで、先人の苦悩や歓喜を土台にしない

どころか歴史を積み重ねると言う努力もしていないように感じられもったいない気がします

 

良くも悪くも歴史は変えられませんし、冷静な目で客観的に観察、分析するような

教育がなされることを望みます 

その272        2020/8/24に掲載

政治は腹芸ではない


日本では腹芸ができないと政治家として大成しないと言われますが、本来政治とは

歴史・確率・決断に基づくものでなければ付託された国民の信頼を得ることが

できません

 

ドゴール大統領は一時間程度の演説は全て暗記、事前に報道関係に配られる原稿と

プロンプター無しで一字一句間違えずに演説したそうです

元々軍人のドゴールはシーザーの時代からの歴史書、特に軍事戦略に関した本は

ほとんど読破したばかりではなく、その内容も暗記しており大統領になってからも

世界各地で起きた事柄に対し、過去の歴史で最も似た状況を想起し、成功事例で

あればそのように、失敗事例であればその原因を探り失敗しないようにアレンジして

物事に対処したと言うことです

 

つまり、官僚から上がってくる案を承認するのではなく、自分の頭で考え、決断を

していたので演説も内容を全て頭に入れているので暗記をしなくても対応できた

と言うことです

 

腹芸というのはこれとは対照的で合理的というよりは情緒的な判断となり、他人に

とっては判断基準を窺い知ることが困難で結果的に信頼感が薄くなります

 

全人格的な信頼が求められることとなり、周囲からのアドバイスがしにくい状況を

作ります

 

翻って会社内の仕事の遂行を見ても多くの職場でこのような全人格的な従属関係が

あるようで、今回のように突然リモートオフィス環境になると的確な指示が出せなく

なり「ダメ上司」の烙印を押されてしまうことにもなりかねません

 

同じ農耕民族で人口の多い中国も他人を信頼するのは親類や同じ出身地のみと日本と

共通している点もありますが、統治のシステムには違いがあります

 

中国は歴史的に北方騎馬民族の侵略を受け、相当期間彼らに支配されていたことが

考え方の差になっているのかもしれません

 

経済大国から没落の瀬戸際にある日本がこれからの世界で生きてゆくためには

判断基準をもっと合理的でわかりやすいものに変えてゆく必要性がありそうです

その271        2020/8/17に掲載

3回目の四半世紀


日本では記念日の数え方が10年単位ですが、欧米では数の数え方が十進法よりも

分数で考えることが多いので75年目は3/4世紀になります

四半世紀の3回目という目で観てみるとそれなりの重みがあるようです

 

当時の20歳、30歳という働き盛りの世代はとうの昔に引退し、現在の20.30歳代は

孫の世代になり経験は薄れてしまっていますので何かを残そうとすればそれなりの

努力が必要です


このような風化を防ぐために一般的には教育が大切ですが、戦後の教育は知識の記憶

が中心となり複雑な状況を把握して論理的な思考で最適解を探すような思考方法は

苦手です

 

ユダヤ人が約2600年前のバビロンの捕囚を今でも語り伝え、イスラエルとパレスチナ

の対立の原因となっているように解釈を許さない知識というのは複雑な物事の解決

には時として障害となる事があります

 

このような事と比較すると75年というのはあっという間の出来事ですが、それでも

風化現象が見られることに対しどのような考えるべきでしょうか

 

人は過去の感傷に浸ることはありますが未来に対して感傷に浸ることはありません


逆に将来を憂うことはありますが過去に対して憂いても事実は変わりません


将来に希望を持ちたければそれを達成するための道筋を考え、一歩一歩実現に向けて


努力する事が必要で、過去の感傷に浸り過去を憂いても前進はありません


終戦時から3世代目がこれからの未来を築くとなれば、これらの世代に対して

正確な知識と未来に対する複雑な解決の道筋を示してあげ、教育する事が2世代目の

役割ではないでしょうか

 

実体験を持つ第1世代が高齢化する中で、少なくとも実体験を持つ世代から直接

経験を受け継いだ我々第2世代の役割は重要です

 

最近の番組を見ていると戦争の悲惨さを強調した番組が多いですが、これでは本当の

歴史は伝わらないと思います

 

何故ならそのような政党、政府、軍隊を作ってきたのも市民なのですから、本当に

伝えなければならないことはいつ、どこで、どうして判断を誤ったのか、その誤り

に気づいたときに修正する事が何故できなかったのかということを正確に伝える

べきでしょう


悪い結果を憂うだけでなく、自らの責任範囲で何を間違ったのかに向き合う事が

辛いですが必要な事です 

その270        2020/8/10に掲載

JRの切符は何故1ヶ月前からしか買えないのか?


COVID蔓延の最近ですが、北海道内の旅行はそれほど問題はないのではと思い秋の

釧路湿原巡りを計画しましたが切符手配がでネットではできないことがわかりました

 

新聞等の感染の地図では北海道は一括りですが、札幌から釧路まで約300キロ

同じく函館までも約300キロ、網走や稚内はもっと距離がありますので東京を中心と

して考えれば関東甲信越と同じような範囲になり、実際北海道内の感染は札幌中心

でその他の地方ではほとんど事例がないと、旅行を正当化する理由としています

 

さて、最初のテーマに戻るとホテルも飛行機も少なくとも3ヶ月前には予約可能

ですが、JRのみは1ヶ月前にならないと予約が確定しませんので、最悪の場合

旅行そのものが予定通りできないことになります

 

JR各社は需要喚起のために豪華な列車を走らせたりしていますが、肝心の予約が

直前にならないと確定しないのであれば車や飛行機にお客さんを取られるのも

自然の流れです


またまたアメリカでの経験で申し訳ありませんが、移動手段の標準が飛行機である

ところから、航空各社が開発したフライト予約システムで宿泊やレンタカーも同時に

予約ができます

 

このため各航空会社は大規模なシステムを開発し提携各社にライセンス提供していて

このシステムが各社の無形固定資産の大きな価値となり、企業の価値算定の重要な

要素になっています

このようなシステム場合、自社及び提携会社のフライトが優先的に画面に表示され

また広告にあるような格安の座席はシステムを熟知して探し出さないと表示されず

利益率の高い切符から販売するようになっていて収益性を高めています

 

興味があったので一度調べてみましたが、NY-LA $80という格安の座席は300席の

うち2つだけでした

 

JRに関して言えばこのようなシステムを開発し、せめて3ヶ月前には予約でき宿泊

やレンタカーや競合する航空券も併せて予約できるようにすれば良いでしょう

ネットで直接予約を取れるようにすれば、旅行代理店への手数料もなくなり収益が

大幅に改善されます


現状ではネットでも1ヶ月前からしか予約もできず、特急以外のローカル線3セクの

企画列車はアクセスもできません

 

旅行代理店頼りから自分たちで環境を構築することがネット時代の真髄です 

その269        2020/8/3に掲載

ルールは運用次第で活きもすれば死にもする


人間が社会生活を送ろうとするとルールが必要です

上は憲法から始まり下は町内会のルールまでスムーズな社会生活のためには様々な

取り決めがありますが、どれをとってみても全員が賛成するようなルールは

ありません

 

従ってルールそのものの是非もさることながら運用が重要です


有名な『大岡さばき』はその典型かもしれません

江戸時代の窮屈な『お上』のルールを民衆にも納得されるような運用をしたからこそ

人気になったのでしょう

 

最近びっくりするような出来事がありました

さる一人暮らしの老人が亡くなり親族が遺産相続手続きのため金融機関に口座残高

証明書を依頼したところ、発行は簡単にしてくれたのですが証明書を書留で本人宛

送付しますと言われたそうです

 

一人暮らしの老人ですから、その家には他の人は暮らしておらず、そもそも

亡くなった本人の口座残高証明を本人宛に書留で送付するというのはどういうこと

でしょうか

曰く、重要な書類なので書留ですとのこと

 

同居人がいれば確かに確実な方法でルールとしては間違っていないのでしょうが

死亡した本人の関連書類を死亡者本人宛送付するというルールは如何なもので

しょうか

 

せっかく書留で送付してもその住所に居住する人が受け取ってしまったら、実際には

誰が受領したのか不明です

金融機関としては本人宛書留で送付しましたという免罪符が残りますが、実態は

わかりません

 

また一人暮らしの場合はどうなるのでしょうか

受取人がいなければ送付元に戻ってしまいます

 

つまり、ルールとしては堅実なものなのですが、杓子定規に運用するとあちこちに

不便が生じてしまいますので、大岡さばきのように柔軟な運用をすれば良いの

ですが、それには判断力とそれに伴う責任が伴わなければなりません

ルールを遵守するというのは聞こえは良いですが結局責任逃れということと同一です

 

大岡越前守の人気は自らの責任でより良い運用をおこなったからでしょう

 

いつも言うようですが責任を持って判断する能力の養成が肝心です 

その268        2020/7/27に掲載

誰も報道しない世論調査結果


最新の世論調査結果は予想と大きく変化することなく支持率が不支持率を下回った

状況で,新聞の見出しは内閣支持率が横這いだったということですが,本当に注目

しなければならないのは政党支持率の変動です


それも各党の支持率の推移ではなく,支持政党無しの数字で今回はついに

50%を超え何と60%という数字がありました

 

これまでも高い支持政党なしの状況は継続していましたが、それでも40-45%程度で

自民党の支持率と概ね拮抗していました

 

しかし今回は自民党の支持が大幅に減少し、その他野党はほぼ変わらず、結果的に

自民党から支持政党無しにほとんどが流れたため圧倒的に第一党?となりました

与野党全ての党を合計した数字の1.5倍,政治不信も極まれりです


内閣支持率は比率でしか発表されていないので、実数が不明で、上記の支持政党

無しの意見がどのように含まれているのか、あるいはその人たちは無回答なのか

わかりません

 

いずれにしても30-35%という内閣支持率の本当の価値はかなり差し引いて評価

しなければならないのは確かですし、ここまで突っ込んだ分析がなされていないのは

報道機関の怠慢としか言いようがありません

 

様々な政府、官庁発表の基礎データがあまり公表されず正確な分析ができないのは

皆さんご存知の通りですが、報道機関も詳細データを公表しないのでは議論の基礎が

定まりません

 

研究はもちろん、議論の基礎は正確で詳細なデータをもとに行われるべきでデータ

に関する重要性の認識欠如は近代国家としてはいかがなものでしょうか


正確なデータとそれに基づく論理的な思考と議論が民主主義の基礎ですから

正に民主主義が危機に瀕していると言えます

その267        2020/7/20に掲載

全員が感染経路不明者ではないの?


今までの報道を見ていると「夜の新宿繁華街」で〇〇人、「家庭内」で〇〇人

その他感染経路不明者が〇〇人という発表になっていますが、赤痢などと違って

感染源は最初に海外から持ち込んだ人以外は不明ですから本来なら全員が

感染経路不明者です

 

新宿のホストバーで感染といっても客からうつったのか従業員から客に感染した

のかは不明ですし、誰が最初の一人なのか、その人がどこから持ち込んだのかは

不明です

 

赤痢のようにその場あるいはその食べ物から感染となれば対策はできますし

感染経路の把握は重要ですが、COVID-19の場合は辿っていけば海外からの感染

に行き着きますが、国内での感染経路は不明で全体像の把握は無理です

結論的に言えば、市中感染になっているのでそれに対応した対策が必要です


だからこそ諸外国では徹底的なPCR検査を実施し、感染経路の特定よりもどこで

集団的に感染が発生しているかを無症状者を含めて把握し、消毒や閉鎖を決めて

いるのです

 

このように考えると保健所に全ての業務を押し付け、病院にも援助せず経路の

特定に費用と時間をかけているのは全くの的外れとしか言いようがありません

押し付けられた保健所は疲労困憊し、避難を浴び、病院は一般外来の激減で経営が

成り立たなくなっています


保険診療の点数を2倍にしても外来が7割減少すれば差し引き通常の6割の収入で

しかもCOVID-19対策で費用は増加しているので経営は成り立ちません

 

設備増強費用を全額補助したり、感染受け入れしている医療機関には直接人件費の

補助をする等の施策が必要で、このままで第二波が来襲すれば患者は急増、病院は

崩壊で街中に感染者が溢れてしまいます

 

政策担当者は何を考えていることやら末期症状ですね 

その266        2020/7/13に掲載

富士通の制度改善

富士通が大幅な制度改革の提案をしています

オフィスの大幅な削減や通勤・通勤費の考え方で良いことだと思います

また、ホリエモンこと堀江貴文氏が通勤定期料金のダイナミックプライシングに

言及しています

 

残念ながら筆者の目から見ると周回遅れ、しかも3周ぐらいの遅れに見えます

 

何故ならば欧米諸国では何十年も前に導入され、完全に定着しているからです

具体的にはマンハッタンにニューイングランドから通う通勤列車では以前から

時間別料金があり、通常時間は混んでいるが、その前後は少し安くなりゆったりと

して通勤ができる制度があり市場原理の応用で乗客の分散を図っています

 

また、石油ショック後には大企業が一斉にマンハッタンから逃避し、郊外に小さな

オフィスを構えることが普通になりました

 

これらのことが可能なのは、通勤費は個人が払うので市場原理が働いて分散するし

オフィスのIT化により遠隔地でも仕事ができる体制が整備されてきたからです

これらの条件が整わなければ富士通や堀江氏の提案は絵に描いた餅になります

 

私自身は40年前に次の三つを提案したことがあります

通勤費の定額支給

タイムカードの廃止

ボーナスの大幅減額


通勤費を定額にすれば、近くに住んで通勤費を削減しようというモチベーションが

働きますが、一方で住宅価格は高くなります

そこで企業が郊外に引っ越すことで、社員にも企業にもメリットが生じます


タイムカードの廃止は正に在宅勤務時の出勤管理と同じです

 

ボーナスの削減は削減額を毎月支給,つまり月々の収入が増えて生活レベルも上がる

し支出の裁量幅が大きくなります

 

これらの考え方の基礎にあるのは自主判断の尊重とそのためのインフラ整備で、これ

によって様々なエリアで市場価格が形成され本当の意味での市場経済が成立します


大都市に本社を置き、定時出勤を強制し、定期券の支給で郊外からの遠距離通勤を

補助するような制度は本当の意味での市場経済ではなく、封建的な領主による

支配体制に近いものだと思います

 

海外の状況を普段にモニタリングし、良い制度を迷わず導入するには個人の自主判断

の余地が大きくないとできません

その意味では日本はまだ後進国だと言わざるを得ないようです 

その265        2020/7/6に掲載

かんぽの不当販売


日本郵政はかんぽの不当販売に対し2,248人の処分を発表しましたが、管理職が

含まれていないように見えます


今回の不当販売の原因の一つが過剰なノルマであり、内部の人間であればかなり

問題のある販売手法を使っていたことは明白で、場合によってはどのような手段を

使ってもノルマの達成を指示していた可能性が高いと思われます


もし、管理職がそのよな状況を把握していなかったとすれば管理職として失格、

知っていれば同罪、あるいは管理職として職員より重い処分を受けて然るべきと

思います


もし、今回の処分に管理職が含まれていないのであれば、組織の士気の低下は

避けられず、次なる不正に繋がる恐れもあります

組織運営上のポイントは処分の場合は上に重く、下に軽く、褒賞の場合は上に軽く

下に厚くというのが常識ですが、擬似官僚組織の日本郵政は蜥蜴のしっぽ切りに徹し

ているようで、これでは将来的に同様な事件が発生する可能性がありますし、組織の

下部の人間は責任転嫁と考え、モチベーションが上がりません


組織の抜本改革には民間の組織運営のノウハウをもっと取り入れるべきですし

生産性が低い原因にもなっています


官公庁、疑似官僚組織、大企業での生産性が低い根本原因はここにあるのでしょう

一方で、これら大企業に従う中小企業は表面的な体裁を繕えばビジネスが継続する

ので生産性よりも付き合いを重じてやはり効率の悪いビジネス慣行が残されて

しまいます


前にも書きましたがGDPは人口伸び率 X 生産性の伸び率ですから誰かのホラ吹き的

掛け声ではGDP成長率は高くなりません


明るい未来が見えて初めて人口も増加するわけですから、国も企業も指導者の役割は

大変大きなものになります 

その264        2020/6/29に掲載

日本の七不思議


コロナ騒ぎの始まる前から,世論調査では話題になっている政策について常に

説明に納得できないという結果が出ていますが、何故か内閣支持率は全くと

いって良いほど変わらず,40%を下回ることはなく支持率が不支持率を下回る

こともほとんどありません


結果的に国民の支持を得られない政策を連発しながら7年も安倍政権が続いて

います


他の国であればとっくの昔に支持率低下で内閣は崩壊していますが、そうならない

理由が全く分かりません


6月になって黒川検事長の賭け麻雀でようやく支持率の低下が表れ始めこれからの

推移がどのようになるかで展開は変わってくるかもしれません


これまでの世論調査でも常に個別の案件では不支持が多かったものの内閣支持率や

政党支持率には影響がありませんでした


うがった見方をすると政治や与野党を問わず政治家に対する信頼感が低いので

どの内閣でも同じ、だから今のままで良い、どうせ代わり映えしないから今のまま

で良いということの反映が内閣支持率が動かない原因だった可能性もあります


次の不思議はコロナ感染者数と感染による死亡者の少なさです

PCR検査をほとんど行わず、無症状感染者を放置したにも関わらず爆発的な

感染が起きなかった、今までのところはという注釈付きですが、のは奇跡に近い

状況です


ソフトバンクグループで実施した抗体検査では抗体保持者が1%より遥かに低い

数字となり、爆発的感染が無かった事はある程度証明されましたが、逆にほとんど

無菌状態だということは第2次感染が起きると抵抗力がほとんど無いという

ことになり、七不思議の幸運がいつまで続くか不安になります


最後に予言を二つ


一つは大統領選挙前にトランプが選挙に出ず共和党が大混乱

トランプは負けることが大嫌いなので、負け戦の大統領選挙には出ない、政治的

混乱は自分には関係ないという無責任な行動もあり得ます


二つ目は来年の東京オリンピックは中止


南米、ロシア、インドでの感染拡大が収まらず、秋以降は第二波が来ると来年夏

までにワクチン開発をはじめとする対策は無理で、結局中止に 

その263        2020/6/22に掲載

アル・カポネ、禁酒法、個人情報

三題噺にかけて考えてみます


シカゴマフィアとして有名なアル・カポネ、彼と対峙したFBIのエリオット・ネス

街中での銃撃戦など何度も映画にもなり誰でも知っているシーンですが、実際

アル・カポネは何の罪で捕まったのでしょうか?


殺人?禁酒法違反の密造酒製造・販売?いずれも違います

罪状は脱税です、そして罰金刑ではなく禁固刑となり収監され決着がつきました


日本の暴力団でも同様ですが、マフィアのような組織では顧問弁護士もいますし

命令は直接ではなく間接的に証拠のない形で実行されるので、下部の組織員は逮捕

されてもトップにまで司法の手が伸びることはありません


そこでFBIは脱税という搦手から逮捕、訴追したのです

これ以来脱税はシンボリックな罪状となり、どんな有名人でも脱税で有罪になると

例え罰金刑であっても社会的には制裁されるようになりました

刑法犯では犯罪の意思が重要な要素ですが、脱税は外形的な数値のみで立証できます


翻って日本でのマイナンバーを考えると大きな反対理由が「個人情報の保護」です

個人情報とはなんでしょうか


マイナンバーの当初の導入目的が資産の把握にあり、税金の捕捉にありました

アメリカのSSナンバー(Social Security Number)を参考にしたからです

しかし個人情報保護の名目で資産把握から税金が課せられるのを防ぐことが本当の

理由であるとすれば、アル・カポネの例をとるまでもなくあってはならないことです


日本では脱税があってもほとんどが罰金刑にもならず重加算税の支払いで済み

コメントでは「課税当局との意見の差があり既に重加算税を含めて納付済みです」

というコメントで一件落着し社会的な制裁もほとんどありません


談合、贈収賄を含め組織ぐるみの犯罪は立証が困難で放置されることが多いのですが

エリオット・ネスとFBIはそこに一つの風穴を開け、社会も脱税者を社会的に制裁

することで健全な社会を維持しようとしました


このようなアメリカと、立証責任のアイデアにも欠け、社会的な制裁も薄い日本

では大きな差が出てしまいます


自由放任に近いアメリカですが、その裏でこのような社会的制裁、今回のフロイド

事件に見られる社会的連帯が自由放任のセーフティーネットになっていることを

もっと認識するべきではないでしょうか