“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

携帯電話料金

政府が携帯電話料金の引き下げを目指して「競争原理を導入」したいとのことですが

本質を捉えているのでしょうか

アダム・スミスの富国論によれば完全で自由な市場では競争原理が働き「見えざる

神の手」によって需給の均衡点で適切な価格が形成されるとされています

しかし、いつの時代にも「完全で自由な市場」は存在せず、何らかの規制が必要で

規制が存在する分だけ本来の適正水準での均衡点からは異なる価格形成がなされる

というのが現代の共通した認識です

それでは日本の携帯電話市場はどうなっているのでしょうか

限定された電波を使う「土管」である通信ネットワークの建設・維持は認可制で

競争は著しく制限されていますがこれは諸外国とも同様です

「土管」を整備した会社はその建設費と維持費を通信料として回収しますので

通信料は高い方が有利ですし、限定された会社間ですから料金は高止まりする

傾向にあります

もし、日本のようにネットワークを持つ会社が端末販売も通信回線も同時に販売

できれば独占的な地位を維持できます

当初SIMロックがあってA社の端末を購入するとA社の通信回線を使用せざるを得なく

なると高い通信料が維持され、競争は通信料金ではなく、いかに多くの端末を売って

通信料を得るかということになりますから端末の値引き販売で囲い込みをするという

構図ができあがりました

SIMロックが消滅した後は他の回線への切り替え手数料で囲い込み、今回それも

消滅するのでようやく少し競争できるようになりましたが、本質は回線を独占的に

保持し続けることで格安携帯への回線使用料は高値維持できますので、競争条件は

公平ではありません

ではなぜヨーロッパでは安くなったかというと、回線使用契約と端末販売が分離

されているからでヨーロッパ共通規格であれば他国で購入した端末をそのまま

使用できるので端末の安値販売で顧客を囲い込み高い通信量を取るとこが難しい

からです

世界的に見て単価の高いiPhoneのシェアが異常に高い日本は廉価販売と高い通信料

での端末値引きの回収という歪な構造によるもので、回線使用料の競争がないことに

原因があります

本当に携帯料金を引き下げようとすれば政府が価格にまで規制をかけるのではなく

回線と端末販売を分離すれば本当の意味での競争が起きて自然に価格は下がりますし

消費者はサービス内容で通信会社を選択することができます