“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

本質は何か?を問う大切さ

最近話題になったJOB型雇用で考えてみます

人口減少で日本の人口構成はピラミッド型から聖火台型に変化し若年層が少なく

なっています。それに伴い、企業でも永年勤続と年功賃金という処遇制度の

維持が難しくなりJOB型雇用ということが言われ始めました

新卒採用の若手社員を比較的定型的な仕事から始めて、徐々に階段を上がり高度な

仕事へ、それに伴い賃金も上昇するという旧来型の雇用が若年層の減少、中高年に

よるポスト独占で昇進機会が失われ、組織全体の活力が無くなり経済成長率の低下

へと繋がってしまい、一つの解決策として非正規社員の増加とJOB型雇用が出現

したと言えます

会社全体から見ると年功賃金のため、人件費が上昇しているにもかかわらず生産性の

上昇が低下し相対的なコストが上昇してしまいましたので、対応策として定型的な

仕事の非正規社員への置換と若手社員の登用のためのJOB型雇用(JOB型賃金)が

導入されたと考えられます

しかし、本質的な変化とその対応策は何なのでしょうか

JOB型雇用やJOB型採用とは職務記述書が明確で仕事の定義や責任が明瞭で

それに従って上司は仕事を割り振り達成目標と達成時期を明示するという仕事の

やり方ですから、組織全体がそのような体制になっていない限り上手な運用は

できません

多くの企業では職務記述書は漠然としており上司の責任範囲と権限、更に従業員の

職務権限と責任が曖昧になっているので継続的な上司からの指示とチェックがない

と業務が遂行できないようになっています

このような組織体制や仕事の進め方を変更したという話は聞きませんし依然として

新卒採用を継続しています

本当にJOB型ということであれば未経験者の採用はありませんし、諸外国では不景気

になると真っ先に新卒の採用が止められます。未経験者の採用は不経済だからです

人口構成の変化は現実ですし、今後少なくとも四半世紀は継続します

処遇制度を見直すのは必要ですが先ずは各企業が組織のあり方、仕事の定義

管理者教育といった本質的な課題に取り組み、その上で戦略的に採用や処遇の

制度設計を行う必要がありますが、このような議論を聞いたことがありません

技術力のある中小企業ではこのような処遇ができていることが多く見受けられ

名前やムードに捉われない本当の実力が備わっているのはどうしてでしょうか

新卒採用、入社時の序列で物事を判断し猛烈な勢いで変化している世の中の動きに

追随できていない大企業が行き詰まってしまっているのが今の状態だと感じられます