“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

定期的に尖った主張、疑問、提案をお届けします

前回は各マネジメントレベルの行うべきことと責任について考えてみましたが、それでは具体的にどんなことをすれば良いのでしょうか、部課長クラスを例にとって考えてみます

どこの会社でも年間の事業計画は新年度の始めである4月から12ヶ月の間に何を達成するかということが列挙され、それぞれの項目に対して達成目標が示されることが多いと思います。 つまり新年度からいろいろな必要なことを始める、あるいは前年からの継続事項を引き続き実施するということですが、ここで一つ疑問があります。 どの項目も達成に12ヶ月かかるわけではありませんので、年の後半にはやるべきことが少なくなってしまうのではないか。また、あることを達成するのに経験豊富なAさんなら3ヶ月で達成できるが、経験の少ないBさんは5ヶ月かかるかもしれません。

そこで、マネジャーの役割としてはその部門に必要な達成項目をいかにして効率的に各メンバーに配分、メンバーからも理解を得るようにすることが求められます。 さらに、そのためには各メンバーの実力の把握と、やらなければならない仕事を達成するためにどれだけ時間がかかるかということを正確に推測することも求められます。 最後にそれぞれの仕事がいつまでに終了しなければならないのかを把握し、必要な時間との兼ね合いでいつスタートしなければならないか、あるいはいつまでスタートを遅らせることができるかを把握しないと効率的な資源配分ができなくなります。

ここにも記したようにマネジャーに求められる能力は

1.各メンバーの実力の把握

2.仕事量の見積もり

3.達成に必要な時間の把握

ということになります。皆さんの職場ではこのような能力が求められているでしょうか、また部門目標がこのようにしてメンバーに割り振られているでしょうか

これらができていないと、正確な評価ができません。 例えば前例にあるようにAさんなら3ヶ月、Bさんなら5ヶ月かかる仕事の場合、Aさんは3ヶ月で達成しBさんは4ヶ月で達成した場合の評価はどのようになるのでしょうか。 一般的にはAさんが高い評価でBさんは低い評価になるでしょう。 これで良いのでしょうか

先の例にもあるようにAさんなら3ヶ月でできるのであれば今回の結果は《平均的》であり、Bさんの場合1ヶ月も早く達成できたのですから評価は《平均以上:良い》ということになる筈です。 客観的な評価というのはこのような状況を言います

すでにおわかりのように、適切な目標設定があってはじめて妥当な評価があるということです。 次回は評価についてもう少し見てみましょう