“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

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目標設定については、営業のような職種は簡単だけど、管理的な仕事での客観的な目標設定は難しいという話をよく聞きますが、本当でしょうか。 私は逆に営業ほど客観的な目標設定が難しい職種はないと考えています。 理由の一つが顧客の状況に結果が大きく左右されることが多いということです

具体的な例を出して考えてみましょう

Aさん: 年間売り上げ目標 1,000万円 結果:1,200万円

Bさん: 年間売り上げ目標  900万円 結果: 900万円

Cさん: 年間売り上げ目標  900万円 結果: 800万円

普通に考えると

Aさん 優秀、 Bさん 普通、 Cさん 要努力

となりますが、もし売り上げ結果の内容が次のような場合はどうでしょうか

Aさん: 前任者が苦労してまとめた商談が今年度に成約し年度始めに300万円の売り上げがあり、さらに年度末に顧客が余り予算を予想外に執行して100万円の上乗せがあった。 しかし来年度の成約見込み残高は0円である

Bさん: 当該地域での担当の3年目でこれまで積み重ねた顧客との信頼関係で目標を達成し、次年度の受注残も200万円ある

Cさん: 前年まで担当した地域での売り上げが今年度成約となり引き継いだ担当者の売り上げとなってしまった。 現在の担当地域はゼロからのスタートで顧客との関係醸成に多くの時間を取られた結果、今年度の売り上げは800万円にとどまった。 しかし来年度の受注残が400万円あり来年度は期待が持てる

さて、どのように評価しますか?

実質的な本人の営業努力は

Aさん:800万円、Bさん:900万円、 Cさん:800万円+α(前年度分)

ということになり、評価が全く逆転してしまうかもしれません

それでは管理的な仕事の場合はどうなるのでしょうか。 売り上げやコストと言った数値で表現できる目標が少ない職場なので、客観的な数値目標は出来ないという意見が多くありますが、私はそうは思いません

管理的な仕事の場合、ルーチンをそのままやっていることもあるかと思いますが、これでは生産性が向上しないばかりか賃金の上昇があった場合、報酬単価当たりの生産性は低下してしまっているのです。 そこでこのような職場でも《改善》が求められます。 例えば3人でやっていた仕事を2人こなすとか、システム化して一人でもできるようにする、あるいは仕事の流れそのものを見直して大幅な簡素化を図るというようなことです

この場合、何かをやろうとすれば

計画を立てる=>関係者の理解を得る=>具体的な実行案を作成する=>実行する=>結果を検証する

というようなプロセスが必要で、それぞれの段階をいつまでにやるのか、費用はどの程度かかるのか、そして関係者は誰と誰でどのような調整をするのか、最後にこれらの計画をいつまでに完成するのかという時間軸と費用について承認してもらうことが必要です

予算と時間軸は明確でわかりやすい目標になります。 営業の売り上げのような外部要因に左右される要素も少なく、まさしく自己コントロールの結果が現れてくるわけです

営業目標もこのような内容に改める必要がありますので、次回はそれを紹介しましょう