“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

定期的に尖った主張、疑問、提案をお届けします

営業の目標管理はどのようにすれば良いのでしょうか

まず、現状把握が大事です。 例えば常連の顧客といえども様々な理由によって実績

には変動もありますし、時として継続受注ができなくなることがあります。 過去10年

の平均で前年からの継続率が90%だという結果が出ていると、計画としては前年実

績の90%が継続受注額となりますので10%分の新規受注をしないと前年通りとは

なりません。 一方で翌年の会社全体の目標が前年比10%アップだとすると、合計で

20%の新規受注が必要になります

さらに、新規顧客獲得のためにはどれだけの新規顧客候補リストが必要で、成功確

率がどの程度かというのも過去の実績平均がありますので、これらを加味すると新規

顧客獲得のためにどの程度の時間を使う必要があるのかもわかります。 新規顧客獲得に

必要な時間と継続顧客維持のために必要な時間の配分も重要です

また、新規顧客獲得のステップごとの計画を立てれば進捗状況の把握にもなります

  • 新規顧客候補リストの整備
  • 訪問アポ取り
  • 訪問:平均して何回必要か
  • 年間スケジュールの立案
  • 実施

これらを計画に立て直すと

既存顧客の継続 90%以上新規顧客獲得 20%必要な新規顧客候補リスト 50社3回の訪問で受注確率80%以上とする新規顧客 10社

ところで、もう一つ重要なことは市場の状況です

もし、市場規模が年率20%で伸びているなら前年比10%増という計画はシェアーを

落とすというかなり弱気な計画ですが、達成可能性はかなり高いことになります。 他

方、市場規模が年率10%縮小しているとなれば相当にハードルの高い計画となり実

現可能性の蓋然性は低いということを会社自体が認識する必要があります。 つまり

前者の例では10%増を達成しても評価はあまり高くないが、後者の場合は5%増の

結果でも高い評価が与えられるべきです

目標の達成は単に各個人の目標ではなく、会社としても目標自体が市場環境や

競争条件でどの程度の困難さを伴うものなのかを責任を持って評価する必要があり

これが上位管理職の大きな役割となります

このように、整合性のある目標があって初めてメンバーと管理者の信頼関係も築かれ、その結果として正当な評価ができ、その結果がメンバーに受け入れらるということにな

ります。 管理者の役割は単に叱咤激励するだけでなく、客観的な目標の立案、メン

バーへのアドバイス、環境の変化があった場合の迅速な対応ということになりますの

で、知識や経験のみならずコミュニケーション能力、変化の認識と素早い対応力が求

められます