1968年
ベトナム戦争が泥沼化し、若者を中心に厭戦気分が広がるとともに
エスタブリッシュメントに対する疑問が広がった時代です。 米国ではベトナム反戦
運動や徴兵忌避が活発化するとともに、マリファナなどの麻薬が一般市民にも
広がり始めた時期です。 日欧では学生運動が活発化しいわゆる学園紛争が
蔓延した時期です
このような時代に学生時代を過ごし、ヘルメットにゲバ棒は持たなかったものの、
仲間と大いに議論し、大学に泊まり込み内ゲバを目撃したり、時には両者の間に
入って殴り合いを阻止したりした経験が今では懐かしく思います
個人的には学園紛争ではなく、大学闘争だと思っています。 何故ならばしっかりと
した主張があったからです
大学の古い体質、改革を望まない教授会、教授会の封建的な体質に対する
改革運動が本質だったからです。 それまでの体質では学問の進歩がない、新しい
発想は閉じ込められてしまい将来の日本の発展が止まってしまうという危機感
が底流にありました
私自身も闘争が中途半端な形で終焉を迎えたことで20年–30年後に日本は
世界から取り残されてしまうという危機感を抱いたものです。 バブルの崩壊は
ちょうど20年後です。 高齢化、人口減少、技術革新に対する対策が打てず
経済は下降曲線を描き、政治は混乱し少数政党乱立で政策の選択肢がない状況
が続いています。 残念なことに予言は当たってしまったということです
1968年に何を問い、何を目指していたのかに立ち返りもう一度改革の
チャンスを生かすことに皆が努力をすべきだと思います