5%ルール
内部監査をはじめ、監査に関係する方であれば5%ルールと聞けば重要性認識の
一つの目処という連想を持つと思います。 似たような発想ですが、ここでは政治の
世界での5%ルールを考えてみます
他の多くの国で似たような制度を導入していますし、現在進行中のアメリカ
大統領選挙でも候補者が多い場合は討論会への参加を直前の世論調査の支持率
で制限をして、立候補しても必ずしも全ての討論会に参加できるわけはありません。
ドイツをはじめとした国では選挙制度の中で5%未満しか票を獲得できない政党は
比例区での議席配分がないというルールを設けています
公平であるべき参政権においてこのような制限は、日本での一票の格差という
議論から見ると“どうして?”と思いますが、一部の意見しか反映していない
グループを排除することで、極端な主張が出ないようにするとか、主要な政党間
での議論を充実させるためという判断です。 確かに、日本では選挙シーズンに
なるとニュースでも全政党の主張を流し、全ての候補者の意見を聞くことが多く
ありますが、個人的にはあまり好ましくないと考えていましたので、5%が妥当か
どうかはともかく内容を充実させ、さらにこのような縛りを設けることで政党の
集積度が上がるという効果は高いと考えます。 一定の支持を集めるために
幅広い政策立案が求められますし、どのような妥協をするのかによって質の高い
議論ができるのではないかと考えます
“妥協”という言葉は日本ではネガティブにとらわれがちですが、多数決制度を
とる以上、妥協点を探ってより広い層からの支持を得る努力をするというのは
民主主義の根本だと思いますし、心の柔軟性がないとできません
教条的でない柔軟な発想と反対者を包み込むような理解力が養われるのでは
ないでしょうか
会社の組織でもこのような柔軟な発想ができるともっと住みやすい世の中に
なると信じます