“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

逆スタグフレーションからの脱却

スタグフレーション(不況下のインフレ)の時代にも経済政策の有効性が問われ

ましたが、今は逆スタグフレーション(景気は悪くないがデフレ)になっています

やはり伝統的な経済政策が効かない時代なので、この分野でもイノベーションが

必要とされています

アメリカは1980年代の後半にWorkforce 2000(ハドソン研究所が政府の依頼で作成)

という大方針を打ち立て、第2次産業から第3次産業への大転換を図り、さまざまな

レベルでのソフトウェア教育を充実させた結果、今のIT産業で世界をリードするよう

になりました

ドイツではやはり伝統的な製造業を強化し積極的に海外に展開するとともに、

大量の移民労働者を受け入れました。 また東ドイツとの合併で優秀な東側の

労働者が比較的低賃金で雇用できたことも競争力を保つ要因となりました

日本でも基幹となるのは製造業ですが、コスト競争では韓国をはじめ中国や

東南アジア諸国に勝つことはできませんので、どこに競争の原点を置くのかという

基本的な認識とそのためのサポート政策が必要になります。

現在ではこれらは共通認識となっておらず各企業が個別に対応しているだけで

国全体の実力アップにつながっていません。 経団連などの経済団体がシンクタンク

に依頼してWorkforce2000に匹敵する経済発展基本戦略を作成し、各企業の

経営者はその基本戦略に則った活動を行うと同時に政府も教育の充実や海外との

人材交流の機会を増やすようなインフラと法的整備をする必要があります

坂道を下るように加速してしまうインフレになっているときには、金融政策は

ブレーキとして有効です。 しかしブレーキを外しても平坦な道では加速はしま

せんし、まして上り坂ではかえって逆走する危険もあります

タンクにガソリンはあっても、行先の見えない道ではアクセルは踏めません

タンクの中のガソリンがなくなっていれば、ブレーキを外しても車は動きません

企業の未処分利益が積み上がっているということはガソリンはある状態だと考え

られますので適切なカーナビが必要だと考えられます

国内の競争のみでなく、色々な意味で国際的な競争が始まった結果、今まで順調

に走ってきたという経験だけでは、海外で右側通行の道を走らなければならない、

標識も読めない、周囲の運転も随分荒っぽいといった環境にはすぐには適応でき

ないのも当然かもしれません

適応力(基礎的教育)、しっかりとしたナビゲーション(共通認識に立つ戦略)、

決断力(自立して合理的な判断ができる訓練)が求められます

学校教育から始める必要がありますが、まずは各企業で社内訓練の基本方針を

しっかり立案し実行に移すこと、管理職や経営者への登用はこのような基準で

選任することで展望が開けてくるのではないでしょうか