“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

日本は漁業大国から脱落!

昔から日本人の主菜は肉でなく魚、沢山食べているという認識がありますが、実は近年その傾向が急速に変化しています

三陸沖は世界3大漁場の一つと中学時代の地理では習っていましたが、震災の影響も加わり漁獲量は大きく落ち込んでいるようです。 世界の漁獲高の1/4を誇ったのは昔の話、獲れる魚種の多さも生かされず、三陸沖のみでなく日本全体でも漁獲量は世界8番目にまで下がり、一人当り消費量も減少しているばかりか、輸入が急増しているとのことです

食生活の変化で肉食が増えたこともあるのでしょうが、他の国では魚の消費が増えている、漁獲高も増加しているというのは単に消費者の嗜好の変化だけではないように思います。 私もスーパーに買い物に行きますが、一食あたり単価で見ると魚の方が肉より高いという現実があります。 何十年か前の幼少期の記憶では、肉は高嶺の花、すき焼きは大変なご馳走だったのですが、今では刺身のほうが贅沢と感じられてしまいます

さて、どうしてこうなってしまったのでしょうか。 前にも書きましたが本当に嗜好の変化なのでしょうか。 食料政策の杜撰さが大きな原因ではないでしょうか

食料自給率を高めるためにもっとお米を食べましょう、国産の農産物を保護しましょうと言われていますが、生産・流通を含めた総合的な政策があるのでしょうか

漁業関係者の後継者問題、港湾施設、流通の課題、スーパーで売りやすい限られた魚がパックしやすいように同じ大きさに並ぶ陳列棚。 無駄による隠されたコストが非常に大きく結局生産者の手取りは少なく、消費者の支払いは大きいという結果になり高い関税で保護されている肉よりさらに高い魚になってしまっているのではないでしょうか

林業でも同じことが起きていて、戦後に建築材として杉の植林を進めたのですが安価で良質な木材の供給ではなく大量の杉花粉による花粉症を増やしているのでは笑い話にもなりません。 魚、米、果物でも木材でも高品質高価格のみでは→消費減→更に高品質高価格→売上減という悪循環に陥っています。 市場のニーズに的確に対応し幅広い市場に対応できる商品の提供とそのための技術革新が必要です。 ここにも新しい産業が生まれるタネがあるのですが、規制や既得権保護の壁のために新しい産業構造が生まれにくくなっています

日本人は“工夫の民”です。 昔から様々な工夫を重ね世界に誇れる技術を生み出してきたのは自由な発想と行動によるものです。 天平飛鳥、鎌倉、幕末から明治初期という混乱の時代に海外からの技術導入に刺激を受けて日本独自の技術進歩が見られました。 平安、江戸時代はこれらの新技術が精緻化され形式化された時代です。 今、必要なのは海外からの刺激を含めた第四の革新、そのための徹底的な門戸開放による競争ではないかと思います