ハンコは3つ
豊洲の地下空有の問題や東京オリンピックの開催費用の高騰ということについて、
誰が、いつ、どうやって決めたのかということが話題になりいわゆる犯人探しが
始まっています。 この中で組織が複雑で指揮命令系統が不明確という指摘も
なされています
東京都のような巨大な行政組織でもそうですが、大企業でもよくある問題です
企業の場合は、売上や利益に対する影響によって“誰かが責任を取る”ことになり
ますが、必ずしも“真犯人”でない場合もあり、運不運が付きまといますし、改善も
なされない場合が多くあります。 いわゆる“大企業病”ということです
一方で行政組織の場合は“誰も責任を取らない”まま物事が実行されてしまいます
どちらの組織にとっても真の課題は解決されず、一定期間後にまた同じような事態
を招くことになります。 本当は何が必要なのでしょうか
一つの、そして重要なポイントはハンコの数を減らすことです。 ハンコの数を
最大3つにすれば
役員会で決めるような重要な案件=起案が部長クラスで、承認が事業部長クラス
事業部長クラスの決裁=起案が課長クラスで、承認が部長クラス
ずっと小さな案件では
起案が担当者で承認・決裁が課長の二段階ということもあります
このようにすると、第一のメリットは決裁スピードが上がること
第二のメリットは起案者が案件内容についても理解しなければならないこと
第三のメリットは事後でも責任が明確になることです
実際に詳細プランを作成する担当者と起案者が異なっていても、起案説明を
起案者にさせることで自らの意見が明確でなければ上位者の質問にも答えられません
ので、内容の理解が深まるとともに起案段階までに内容の不備が是正される
可能性が高く、しっかりとした案になるということです
豊洲の例で当てはめれば、起案段階で地下空間が存在していたかどうかも明確になり
事前の検討委員会の提言と異なるプランであれば、この段階で説明を求められ
“工事が完成してから不備が議論される”ことも無くなるわけです
民も官も無責任になりやすいハンコを並べる仕組みから脱却し、責任が明確になり
権限移譲とスピードアップが可能となるホップ・ステップ・ジャンプの三段階決裁
に早く移りましょう