“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

ブードゥーエコノミーの再来

レーガン大統領は歴代アメリカ大統領で人気の高い上位にランクされています

今回のトランプと同様に政治家でない経歴を持ち、ソ連を『悪魔の帝国』と呼び、

英国のサッチャー首相とともに規制撤廃で徹底的な自由主義経済政策を採用し

国全体の景気が良くなればその波及効果で皆が豊かになるといういわゆる

『トリクルダウン効果』を期待したのです。 80年代のアメリカはベトナム戦争後の

長いスタグフレーションの時代と麻薬の広がり、若者の無気力さと国際競争力の

減少による貿易赤字、特に日本は目の敵にされワシントンの議会前で日本の家電製品

がハンマーで壊されるというパフォーマンスまであった時代です

その結果どうなったかと言えば高金利は続きましたが、景気は回復、為替も是正され

金融、IT、先端技術を中心とした経済になりました。 これがレーガン人気の秘密

でもあります。 また1989年のソ連の崩壊によって冷戦が終了し新しい時代に

入りました

それから更に20年が経過しどうなったかと言えば、所得格差の拡大と製造業の

衰退が今回選挙での民主党の伝統的な地盤であるラスティベルトでの労働組合票の

共和党へ流出となりました

レーガン、サッチャーの市場最優先政策が結局は経済の金融依存、長期開発投資

よりも短期の業績優先、衰退した企業は売却という流れとなり、結局もっとも打撃を

受けたのはトリクルダウンを期待した中堅のサラリーマンや労働者となってしまった

のです。 利益を得た高所得者層は一部で大多数の国民に恩恵はなく、その不満が

既存の政党への不信、極端な主張への賛意となりましたが、このような極端な

主張は実行できない可能性が高く、課題は克服されません

今回の大統領選挙を見ると、メキシコやイスラム諸国をスケープゴートとして

大衆人気を煽り基本的な政策が不明のまま新政権が発足するという不安があります

冷静に判断すると、今我々がやるべきことは事実を正確に把握し、感情ではなく

論理的に判断できるような思考訓練ではないでしょうか

『急がば回れ』の教訓は今でも、いや今だからこそ必要です