日本式経営、絶頂の30年、惰性の30年、そして衰退の30年
いわゆる『日本式経営』は、昔からあるように思う人が増えてきましたが、実際
には戦後の産物です
終戦直後の状況を見ますと何もない状態でまさに白紙に絵を描くように、自由に
制度設計ができたという幸運があります。 生産設備は崩壊、老練経営者はおらず
若手が活躍できたことと幸運にもエネルギーがそれなりに確保できたということが
あります
水力発電と石炭があり、ある程度のエネルギー源が確保できていたということは
時代は違いますがイラク戦争後のイラクと比較してみると歴然とした違いがあります
このような基盤の上に、朝鮮戦争特需ということが加わり高度成長を遂げてきました
高度成長が新卒一括採用、社内人材育成、年功型人事制度、ボーナスと残業による
景気循環対応を可能にしてきたのですが、この成功体験があたかも『日本式経営』の
成功物語となってしまったのです
それから30年、石油ショックが起き成長率は7-10%から3%程度に低下
しましたが、それまでの余勢でなんとか成長を維持し、『日本式経営』も継続
してきました
さらに30年経過し2000年代になり大きな節目を三つ超えたところで過去の
ビジネスモデルに破綻がきました。 バブルの崩壊、ITバブル、そしてリーマン
ショックです
もはや『日本式経営』の前提はなくなり新しいモデルが必要とされているにも
関わらず、相変わらず原点復帰のような議論が続いていることが現在の閉塞感から
の脱却を遅らせています
最初にも書いた通り、終戦直後の『日本式経営』が成功した前提条件は大きく変化
してしまっていますので、新しい発想で組織、経営、処遇制度を見直す必要が
あります
ここでキーポイントとなるのは『仕事の成果をどうやって評価するか』ということで
そのためには『具体的な仕事の目標の設定』が必要で、これまでのように
人物評価や将来への期待のみでなく、『目標』『達成』『評価』という客観的な
物差しを各企業や組織がそれぞれに明示する必要があります
まさに知恵の勝負ではないかと思います