“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

決算発表は何故遅れる?

決算発表の延期、業績見込みの大幅な改訂が相次いで伝えられています

決算発表が遅れるのは最悪の事態だとしても、突然起きるわけではなく、必ず

前兆があり直前での業績見通しの改訂はその一つと考えらえます

決算直前になって大幅な業績修正をするのは、決算数字に合わせようとするので

しょうが、ここに二つの疑問があります

一つは何故、直前なのかということです。 業績見込みはあくまでも見込みなので

実際の数字と異なることはありますが、極力差が無いようにしたいということで

確実性を期すればするほど発表時期が遅れてしまい、見込みの意味が小さくなって

しまうという矛盾を含んでいます

二つ目の疑問は、何故見込み違いができてしまうのかということです

第一四半期ならいざ知らず、第三四半期となれば年間実績の四分の三になるわけで

この時点で年間見込みが立たないということは内部管理体制に不備があるのでは

無いかという疑いを持ちます

多くの企業で四半期毎の累積が当初計画から乖離していても年間の業績数字を変更

しないことが多く、結果的に第三四半期あるいは最終業績発表時修正を加えるために

大きな乖離が出てしまうということがあるようです

もともと、業績見通しは株主やその他のステークホルダーに対する情報開示ですから

業績の推移によっては年間計画そのものをその都度修正するべきだと考えます

古い話ですが、20024月のソニーの大幅な営業利益の減少(3000億円から

2000億円への修正)は、「ソニーショック」として株式市場全体が大きく下げる

ことになりました

この時の原因は、いわゆる「合成の誤謬」と「現場と乖離した管理部門」に

ありました

本当に直前まで経営陣もわからなかったとしたら内部管理体制に大きな問題がある

ことになりますし、社内では認識しているものの対外発表をしないということで

あれば、市場との会話ができていない、市場の信頼を得るような行動をしていない

ことになります

企業の内部管理体制とは表面的な体制構築と内部監査を実施することではなく、

実質的に市場やステークホルダーに対してどれだけ真摯に対応しているのかが

問われていると考えます