“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

日本的経営の終焉とこれから:その3

前回も書きましたが、年齢による管理というのは摩擦が少なくて済みます

説明する必要がありませんし、「飛び級」はあり得ないので、勤続年数とか年齢に

よって序列が作られていると多少の不満はあっても組織の安定感はあります

組織としてこの体制を維持するためには新卒一括採用というのはどうしても必要な

手段となります。 年度毎の綺麗な序列が形成され、横並び意識と合わさると

管理者にとってはやりやすい仕組みです

業績評価を客観的に行わなくても一年先輩を追い越さない程度にほんの少しの差を

つけることで、それなりに同期の間で競争を促すこともできますし、評価の差に

ついて説明せずとも一定の納得感を保持することができます

しかし、企業の成長が止まり、また人口構成がピラミッドからフラットになって

来るとこのような管理体制を維持することは難しくかえってコスト増(人件費の

上昇)になってきています

それでは新しい方法にはどんなことが考えられるでしょうか

やはり、客観的な評価基準を作成することですが、そもそも評価というのは

絶対的なものではなく相対的なものです。 したがってどのような評価をするに

してもその前提として、目標が客観的に定められていなければなりません

目標に対してどれだけ達成したかが評価になるからです

ここで問題になるのが目標の決め方です。 一時期流行ったような目標管理制度、

つまり上位者が一方的にある数字を定めるような目標ではなく

1.組織全体の到達目標に対してどのような役割になっているのかを示す

2.目標達成の時期を明確にする:短期で達成できるものもあれば長期にわたる

  ものもある

3.目標達成の手段を明示し相互に確認する:下位者が提案し上位者が承諾する

  ことが望ましい

4.不確定外部要因を事前に認識する:競合会社が新製品を出すetc

5.目標数字を達成したか否かより達成手段を履行したかどうかに重点を置く

  手段を達成したのに目標に達しないのは、事前の計画に瑕疵があり上位者の

  責任でもある

6.目標数字は売り上げのような数字のみならず「何をいつまでに」という時期の

  設定も可能

結論を言えば、目標設定も評価も管理者の責任が格段に重くなるということに

なりますし、このような能力を保持する人が管理者になるべきということです