“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

働き方改革 その5

前回、働き方改革は「働かせ方改革」だと述べました

もう一歩突っ込んで「なぜ働き方を変えなければならないのか」を考えましょう

究極の目的は「生産性の向上」にありますが、「人はそれぞれの特徴がある」

いうことが前提がなくてはいけません

もし、平等というのが「人は皆同じ」ということであれば生産性の向上は性能、

を高める、つまり「もっと頑張る」ことでしか実現できません。 機械で例えれば

同じような機械が並んでいるのであれば、個々の性能が上がらない限り全体の

生産性は向上しません

しかし、人は「十人十色」でそれぞれの特徴を持っていますので、組み合わせを

変えることで最終結果に大きな差が出てくるのです

共産主義社会でのコルホーズの生産性が上がらなかったことを思い出してください

平等というのは「皆が同じことをやる」ということではありません

「各自がそれぞれの特徴を生かして協力し合う」ということが本当の意味での平等

です

昔、週ごとに生産必要数が変化せざるを得ないある生産工場で次のようなことが

ありました。 通常は1日の生産必要数を勤務時間で配分し時間当たりの生産数を

決めますがこのやり方では週ごと、月ごとに生産スピードに差があり、早まった

時にはきつく感じ遅くなった時にはホッとして不良発生率がかえって高まったり

します

そこで、スピードを一定にして生産必要数が少ない時には「早く帰る」ということを

行いました。 工場長からは「とんでもない、タイムカードはどうするのだ」

人事からは「とんでもない、勤務しないのに給料を払うのか」という文句が来ました

これに対し「早く終われば、工場のエネルギーコストが節約できる」「必要なもの

を作ればいたずらに残っている必要はない」と言って実行してもらいました

最近の言い方では「時間に対してではなく、成果に対して評価する」ということです

結果は、それまでの生産性をはるかに上回るスピードを実現し、改善提案も沢山

出て来ました。 早く帰れることが大きなインセンティブになって皆で協力して

生産性の向上に自主的に取り組んだ結果で、半年で生産性は倍増しました

生産ラインですから一人が頑張っても全体は良くなりませんからチームワークも

改善されました

「働かせ改革」の一例ですが、現在取りざたされている「働き方改革」は単なる

残業削減の掛け声のように聞こえてしまいます

物事の本質を明確に捉え、そのために必要な施策を工夫する、その際常識を打破

することが大切です