“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

経済学の当てはまらない時代

ベトナム戦争直後に世界的な不景気から回復できない時期に石油ショックによる

大幅なインンフレーションが発生し、スタグフレーションという言葉ができました

経済学では景気が悪いと需給均衡点が下がるので物価は下がり、再び需要が回復

するので景気が回復すると教えられますが、スタグフレーションの時代には物価は

上昇し続け、その結果景気はますます落ち込むということがありました

最近のように景気が良くても物価が上がらない状態はちょうどその反対にあります

貿易の自由化と新興国での生産拡大、世界的規模での最適地生産が行われ、また

品質管理技術と生産技術の向上で世界中どこで生産しても一定の品質が保持される

ようになり、Maid in OOOO』という価値が下がることにより相対的に物価水準

の低い国の製品が次々と供給されることで先進国での物価は低下したままです

このような状況では一国の産業政策や中央銀行による金融政策の有効性は大幅に

制限されます

アメリカは大きなGDPと自国通貨が基準決済通貨であることでドルを印刷することで

比較的自由な政策が可能です

ヨーロッパ諸国はEUとユーロで広範な地域での共通経済政策で一定の政策の有効性

を維持しています

中国は巨大な市場を内包し、しかも大きな需要があるので高い成長率を維持すること

が可能です

さて、日本はどうでしょうか

輸出を基本としたこれまでのあり方は、アジア諸国の追い上げで価格競争力が低下

していますし、今後とも価格競争で勝ち抜くことは難しい状況です

国内では人口の高齢化、絶対人口の減少に直面し国内市場のみでは市場規模が小さく

国内生産の競争力は低下していますので、海外での生産や企業活動で利益を得る

構造になり、国内の雇用を維持することが困難になってきています

これからは価格競争ではない競争力を維持できるような新しい産業、新しい市場創造

が求められるのですが、経済政策も、産業構造も、教育体系もこのような要求に

答えられるようにはなっていません

単にインフレ2%を目標にしていてはますます厳しい時代が来てしまいます

スタグフレーションの時代に経済理論での解決策がなかった時と同様に、新しい

発想で困難を乗り切ることが必要です

21世紀に入る前にハドソン研究所がアメリカ政府の要求でまとめた

Workforce 2000』は日本にとっても大変参考になる政策提言です