“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

再び身分制度を考える

働き方改革 その5

組織運営の見直しとそのための法的整備、社会全体の見直しが必要だと考えます

今だに、入社時の成績と学歴で一生を支配するような労働慣行が残っているところが

ありますが、大正時代ではあるまいし、戦後民主主義とは何だったのだろうか

典型的な例は国家公務員、名前こそ違え上級公務員試験という身分制度が残り

エリートとそれ以外、実はこの内に専門職が含まれている、が明確に差別され

グラスシーリングではなく鉄板のような壁が存在し、実務から育った人はチャレンジ

する機会もない一方、試験で高得点を取った人はその後40年間勉強しないでも

一定の地位までの昇進が保証されるという点に疑問が残ります

民間企業でも似たような制度を今でも継続している企業があり、この根本概念が

変化しない限り正規・非正規の問題も、長時間労働を誘発する全人格的労働慣行も

解決しないでしょう

以下引用になりますが、

1970年代初頭、米国ノースカロライナ州で示唆に富む社会実験が行なわれました

この実験では0歳の子供が5歳まで成長する過程で、「大人が子を手厚くケアする」

グループと、しないグループに分け、40年後の学歴や健康などを追跡調査しました

結果は、幼児期のケアの重要性を示すもので、手厚いケア群が大学を卒業する確率

は、手厚いケアをしなかった群より4倍も高く、健康度も高いことがわかったのです

Frances A. et al. “Adult Outcomes as aFunction of an Early Childhood Educational Program”

日本ではこれらの社会実験を「優秀な子を育てる英才教育」とみる傾向がりますが、

実際にはそうではありません。確かに小学低学年までのIQは高まっていますが、

その後効果は持続していないのです

一方、学校を卒業するまで学び続ける力、企業などで働き続ける力、賃金を得る力

などの、いわゆる「生きる力」は5歳まで、どれだけ大人に手厚いケアを受けたかで

大きく変わります

このように困難を乗り越えるたくましさ、市場経済の競争に破れたときの打たれ強さ

健康に暮す力、などが大変重要で、後天的に得られたいわゆるIQ的な点数は

「国を成長させ、社会を豊かにする力」には大きな要素ではないことを示しています

最初に書いたように、後天的に得られる点数で身分的な固定化を図るような慣行が

改善され、有能な人材が自由に活躍できる社会の実現を目指そうではありませんか