Pentagon Papers
久しぶりに映画を見ました
Steven Spielbergがたった11ヶ月で製作した映画ということで現在の状況を
見据えた作品であることがわかります
大統領と新聞のギリギリの戦いで、結局最高裁まで行って判決が出され 6:3で
報道機関が勝利したというのが話の流れですが、そもそもの記事ネタはランド研究所
の職員が機密書類を持ち出してコピーしたことに始まっており、機密保持に違反
していることは確実ですが、内容的に開示すべきことというのが判決理由です
主役であるWashington Post紙の社主であるKatharine Grahamとはこの事件の
約10年後に一度ポスト本社で面会したことがあり、また映画の最後に出てくる
New Tire Timesの主幹Sulzbergerの記事は高校時代に読んでいて、何となく親しみの
ある映画でした
当時はSulzbergerの記事が日本でも売られていたNew York Times日曜版のトップ記事
で、辞書を引き引き読んだ覚えがあります。 シェークスピアやラテン語からの
引用が多く辞書を引いてもわからないことが多く苦労しましたが、文章としては
格調の高いものでした
もっとも、文章として最も格の高いのはEconomistだということですが、それでも
日本ではなかなか見られない記事の書き方だったことを覚えています
さて、大統領vs新聞という対決の構図を見ると非常に厳しいものがあります
映画の中でも出ていましたが、普段はトップ記者や編集主幹は政治家との個人的
付き合いもあり一面では友好的な付き合いであることがわかります
しかし、新聞として記事にしなければならない時は敢然と戦うという点に凄さが
感じられ、翻って日本の新聞はどうなのだろうかと考えてしまいます
新聞が権力のおもねってしまっては『大本営発表』になってしまいます
当時も検閲等の圧力に対して『自主的』に批判的な記事を掲げなかったことは
重大です
最近の『忖度』も直接的な指示は無いわけで、『自主的』に行動を起こしてしまう
ことが問題なのでしょう