融資から投資へ
政府の宣伝にもかかわらず個人が貯蓄から投資へ態度を変えるのは時間もかかり
ますし、これまでのイナーシャを変えることは大変困難です
しかし銀行が態度を融資から投資へ変えることは可能です
低金利の時代に利ザヤが稼げないので銀行こそ経営方針を変えるべきです
金融機関が融資でなく投資になれば、投資判断の手法や基準が示され、結果的に
個人も貯蓄から投資への転換を促すことになります
超低金利ということで安易に、みんなが揃って賃貸住宅への融資に貸し込むことで
過剰融資になりつつありますし、収益性の低い物件への融資で借主のリスクも増大
しています
安易に賃貸住宅への融資に貸し込むことでなく、ビジネスを支援するような投資に
もっと目を向けるべきです
短期的な見かけの収益性と知識に乏しい地主への賃貸住宅過剰貸し込みは将来の
バブル危機を産むのみで、結局消費者(借り手)が負担を強いられる結果になります
投資に消極的で、知識や経験のない人に対し『土地の有効活用』という言い方で
実際にはリスクの高い長期投資、しかも撤退が難しい案件への勧誘はある意味
犯罪的でもあります
借り手の借金は残りますが、金融機関の経営者は交代して食い逃げ、バブル崩壊時
にはその時点での経営者が貧乏くじを引く羽目になり『いつか見た悪夢』そのもの
です
地主に投資の知識や経験があれば乗降客の少ない郊外の駅から徒歩15分の場所への
賃貸物件がどれほどのリスクを持っているのかは判断できるでしょうが、これまで
大きな投資をしたことのない方にとっては銀行の勧めは『絶対的な信頼』によって
魅力的に映ります
冷静な判断が求められますが、知識経験の不足から自ら適切な解が得られず外部の
アドバイスを鵜呑みにする可能性が高くなってしまいます
それを防ぐには豊富な知識経験が必要という悪循環の中にはまり込んでしまって
います
横並びでないアイデアと経営者の自覚と決断が求められます