“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

アベノミクスを検証する

最近はアベノミクスという言葉も聞かれませんが、5年前に始まったアベノミクスは

結局どうなったのでしょうか?

結論から言えば、何も成果を産んでいないのではないでしょうか

一見、株価はある程度の水準に達し物価やGDPも何とか0.5〜1.0とプラスに

なっていますが、賃金は上がらず生活保護対象世帯は過去最高水準になっています

何故かと言えば、世界経済の回復と数字のマジックなのです

株価で言えば政府系ファンドを通じた日銀の介入で日経平均は2,000円ほど高いと

言われています

また、最近の世界経済の回復により海外での企業収益力は増加していて、日系企業の

海外子会社もその恩恵にあずかっています

さらに、円安でドル建てやユーロ建ての海外での利益は円表示ではかさ上げされて

いますが、国内での収益力はそれほど大きくありませんので国内の社員に円で

支払う給与は増やせないのです

さて、アベノミクスに戻りますが20132月にこのように言いました

三本の矢は順番が違うと言うこと

まず、産業政策示し、それに必要な財政出動があり、資金面からのバックアップと

して大胆な金融緩和が来る。このように道筋が明確であれば日銀も政策手段を選択

しやすく、また結果に対する責任と言うことも言えるでしょうが、金融緩和のみで

デフレを脱却し、その責任を日銀にとらせると言うのは政治家の責任逃れに過ぎ

ないのではないでしょうか

また201511月にはこのように指摘もしました

そもそも、10兆円の需要不足があるのが不況、デフレの原因と言われてきました

ので順番としては需要創出、過剰供給の解消があって需給バランスが逼迫すれば

自然とインフレ傾向となる、つまりデマンドプル型のデフレ脱却となります

需要不足の中で金融緩和をしても、投資は増えず余剰資金は止むを得ず国債と

株式市場に流れ、株高と金利の低下をもたらすものの設備稼働率上昇は輸出の

増加分のみで国内への還元は少ないのです。それでも物価上昇すれば

コストプッシュ型の見かけのデフレ脱却で、早晩景気は下振れてしまいます

どうもアベノミクスは国内需要増加という好循環を生み出してはいないようで一部の

富裕層にバブル的な余剰資産を与えただけのようです

マスコミも経済評論家ももっとしっかりとした立ち位置で現状分析と批評をすべきで

そのことで健全な議論のベースができるのですが、無気力、無風状態になって

しまいました