東大卒が日本をダメにする?
東大に合格するためにはそつなく点を稼ぐことが重要です
結果として満遍なく平均点以上は取るが、この分野は絶対という人材が少なく
学内でも新鮮な発想で新しい分野を切り拓くというよりは知識が多く、どんな
課題にもそれなりの対応ができることが良い評価になり勝ちです
最高学府でありながら意外にノーベル賞受賞者が少ないのもこのような背景が
あり、自由な発想と上下の分け隔てない議論が学風としてある京大からのノーベル賞
受賞者が多いのも納得できます
もう一つ不思議なのは財務省のキャリア官僚のほとんどが法学部出身だということ
です。経済官庁である経産省と同じく日本全体の政策を財政的に担う財務省は
経済学の知識と経験が必要だと考えられます
国会議員に目を転ずると、司法試験合格者が少ないのも日本の特徴です
国会はいうまでもなく立法府ですから法律の知識は必須で、欧米の議員は司法関連の
資格保持者が多く、あるいはほとんどが有資格者です
もちろん、司法資格取得の背景が異なり、日本のように極端に合格率が低い国ではの
特徴とも言えます
中国の科挙試験制度のように少数のエリートを選別するということで登用を狭き門
にすることには一定の意味がありますが、日本の現状を見るとうまく運用されている
とは考えられません
三権分立とはいうものの、現実には行政の力が圧倒的に強く立法府は行政のもとで
下働きになってしまったような感があります
科挙試験制度のような厳しい選別を通過した人は活躍が司法に限定され、十分に
能力の可能性を発揮できる場が少なくなっています
会社内のジョブローテーションで人材育成をしてしまい、結果的に社内事情しか
わからない人材を育成してしまっているように、国レベルでも各分野の人材交流が
少ないことで多面的な考え方が育まれていません
平均点を取る人がどれだけ集まっても、新しい発想は生まれません
ある分野に抜きん出た人たちが相互に刺激しあう社会を作らないと組織全体が壊死
してしまいます
時代の要求が変われば、評価も変わらなければならないので、新ためて皆で考え
直す時期が来ています