民主主義は議論だ
国会でも会社内でも、さらに学校でも侃侃諤諤の議論が聞かれなくなりました
『青い書生論』や『国家を論ずる』と言う言葉も聞かれなくなりました
不思議なことにNHKの大河ドラマでは国家天下を論ずる台詞が出てきますが現実の
世界では聞かれなくなっています
世界中で『民主主義』という名前のついた国が沢山あり、選挙も実施されて
いますが、かなり独裁国家のような国でもこのような呼称が付いていて違和感がある
のも事実です
それでは民主主義とは何なのでしょうか
選挙の有無や議会の有無ではなく実質的に自由な議論があり、意見の主張ができる
ことに本質がありますが、日本の現状は議論の機会があるのに行わないように
なっています
議論が自由にできない国から見ると羨ましい、もったいない、権利の放棄だと
思われても仕方がない状態です
一方で、多数決ということも言われますが、これは議論しても妥協点が見つからず
時間切れになる状況で結論を出さざるを得ない時のある種の便法です
つまり多数意見が全体の意見という決定の仕方ではなく、折り合いのつかない部分は
多数意見を土台にしてまとめるというのが趣旨です
ですから多数決に至るまでの過程で十分に課題が明確になり、議論され、妥協点を
探るプロセスがあって始めて多数決という手段が採択されるのです
このような観点から見ると、昨今の我が国の状況は民主主義ではないと言えます
市場主義とか自由競争についても同様のことがあり、最近の金融市場や株式市場は
市場原理が働かなくなっていますのでやはり市場民主主義も崩壊してしまっている
のでしょう
5年後を考えると恐ろしい状況です