企業統治に一貫性が必要
東証一部の改革がようやく議論され始め、本当にふさわしい企業のみを
一部上場とし、上場企業数の削減を目指しているようですが、正しい方向に
歩み始めたと思います
日本の社会では『一部上場企業』というのは一つのステータスであっても
必ずしも企業統治の観点からの評価ではありませんでしたが、海外投資家の
世界基準での観点が入ってきたようです
このような考え方から判断するともう一つの改革が必要になります
それは『企業統治のあり方』であり、具体的には会社組織の普遍化です
現在では企業の大小、上場の有無、時価総額の額に関わらず様々な形態が
認められています
*伝統的な社内取締役による会長、社長
*社外取締役に企業統治の相当部分を委ねた委員会等設置会社
*その間に、監査役のあり方も社外取締役の定義や権限が複雑に絡み合い
最近の事例で言えば、日産自動車のような巨大企業でも指名、報酬委員会が
なくても会社法上は問題がないということもあります
企業業績も重要ですが、やはり上場基準と企業統治のあり方には一定の
ルールがあってしかるべきで、そのことによってはじめて公平な企業評価が
できるようになります
投資家にとっては大変重要なことでもあり、また日本の会社でのあり方を
世界に向かって宣言することができるわけです
企業会計制度にしても、組織形態についても、企業統治のあり方にしても
海外で実施された方法を日本的にアレンジしてある意味ごちゃ混ぜ状態で
法的な枠組みを作っているので、全体的な整合性が取れていません
ここにも海外制度の後追いという悪弊が出ています
経済大国から徐々に後退している時代には、後追いではなく日本として
あるべき姿を世界に示すような理念が求められています