企業利益は最高、しかし景気回復の実感がないのは何故?
最近の世論調査でも景気回復の実感はありますかという質問に対して大多数の
回答が『否』です
何故でしょう
給料もそれなりに上がっていますが、それ以上に生活にかかるコストが高く
なっているので相対的に可処分所得が増えていないことが原因でしょう
他の先進国に比べても日本のエンゲル係数は高い方です
又、都市部での生活費が高いのはどこの国でも共通ですが、リタイアしても
都市部に住み続けるのは日本の特徴かもしれません
リタイアしたら、郊外にまたは田舎に行って良い空気の中でゆっくりと趣味の
世界で暮らすという生活スタイルはそれほど馴染みのあるものではありません
理由の一つとして、文化格差、医療格差、新参者が入り込みにくい雰囲気
などなど、様々なことが考えられます
大都会で100㎡の家に住んでいたのであれば、田舎では300㎡のところに
住めるので、税制を含め大胆な政策変更をすれば人口減少地域の活性化を
含め37万をより少ない人口で有効に利用する手立ては沢山ありそうです
さて、最初の問いに戻りますが何故景気回復の実感がないのでしょうか
*春闘の結果でもかつての数%の賃上げから3千円程度の賃上げになり
賃金が上がった実感がない
*生活維持に必要な食料品価格、医療保険、介護保険を含む医療費全体が
値上がりしている
*企業業績と従業員の景況感の一体感が薄れてしまった。海外展開で企業の
利益は確保できているものの国内従業員に対する分配率は増加しない
日本全体の経済が輸出主導から異なる位相への変換を迫られているのに円安に
よる見かけの利益の増加(為替換算による)で国内産業の構造変換ができて
いないことが主因です
本社の伝票上の輸出は増加しても実態は国外から国外への輸出であり、国内
産業への波及効果は小さく協力工場が疲弊し、地方経済も活性化しないことに
なっています
低賃金労働者を求めて外国人労働者が増加する一方で、都市部若年層の
高付加価値な労働は増加していません
明るい未来、将来の発展が見えるような政策が求められます