高いエンゲル係数が貧困を生む
最近はあまり聞かれなくなりましたがエンゲル係数という尺度があります
可処分所得のうち、基本的な食費にかかる費用がどの程度になるかという
指数です
所得が高くなっても生活に必要な食費は所得の低い人たちと比べても、何倍も
高いわけではありませんので可処分所得に占める割合は低くなります
2016年の日本のエンゲル係数は25.8%で、2005年の20%から上昇しています
諸外国と比較すると、アメリカは15.2%、ドイツは19.7%となりかなり高い
水準にあることがわかります
もし、日本のエンゲル係数がアメリカ並みであれば月平均3万円以上の
実質可処分所得の増加となります
3万円をどのように使うかは各家庭によって異なりますが、月一回の
ちょっと贅沢な食事でも良いし、年2回の家族旅行でも良いし、結構
使い出はあります
もう一つ、最近の働き方改革に連休でない時の有給休暇の取得の増加が
加わるとより一層豊かな感じになります
もし、連休以外の平日に休暇が取れるようになると観光地の混雑も緩和され
ますし、宿泊代も安くなっています。この傾向が継続すると宿泊業にとっても
設備稼働率が上がり、平日のみでなく休日料金も安く設定できますし、
設備や人員の稼働の平準化ができて運営しやすくなります
しかし、課題も沢山ありますので一つ一つ、クリアーしなければなりません
まず、子供達が学校を休むことに寛容でなければなりません
企業もしっかりした目標設定で社員が自ら仕事遂行の計画を立てられる
ようにならなければなりませんし、休みを取ることが評価のマイナスに
ならないような評価制度も必要です
このように一つのことを達成しようとすると関連した制度や慣習も変化する
必要があり、これが世の中を動かす原動力になります