その214        2019/7/1に掲載

第2の鎖国


歴史で習う鎖国は、海外との行き来のない窮屈なあるいは不自由な状況という

イメージがありますが、一方で元禄時代のように文化的には隆盛を極めた

という一面もあり、その時代に生きた一般の人々の感覚では鎖国という意識は

なかったでしょうし、不便も感じなかったのだと思います


さらに、長崎の出島や朝鮮使節を通してかなり海外の情報は得ていたという

ことで、特に幕末には香港まで完成していた海底ケーブルを利用したモールス

信号による通信でヨーロッパの情報は1ヶ月程度で日本にも伝わりフランス

革命や普仏戦争のような情報も伝わっていたようです


勿論一般の人には全く伝わらず、幕府の役人や一部の医者、学者のみに限定

されていたのは事実です


さて、今の日本の状況はどうでしょうか

鎖国はされていませんし、我々は自由に海外にも出られますし、情報も得られ

ますが、自らの意思でこのような活動をしているでしょうか


ひょっとすると『与えられた情報』に満足しているのではないでしょうか


どれだけの人が、スーダンやセネガルで何が起きているか知っているで

しょうか

どの地域でも時差の有無が感覚としての距離に影響しますのでヨーロッパに

とってのアフリカは旧植民地という理由以外にも意識の上での結びつきが強く

あり、同様にアメリカにとって南米は身近です


それでは日本にとって同じ状況にある東南アジアや東アジアはどうでしょうか

ミャンマーのロヒンジャの問題やラオスの政治状況、インドネシアの人種問題

についてどれだけの情報が手に入るのでしょうか


今の日本は自らの手で鎖国状態を作っている、あるいは無意識のうちに

鎖国状態に陥っているのではないでしょうか


『日本人の9割は英語は必要ない』という広告がありました


確かに日常生活ではその通りですが、英語で得られる情報量と日本語で得ら

れる情報量には大きな差があります

中近東や旧東ヨーロッパで皆が必死に英語の勉強をしているのは情報を得る

ためです


自ら鎖国を作ることなく、もっと世界の中の日本を意識しましょう