その216        2019/7/15に掲載

日本企業はどこで間違ったのか


産業政策というより企業戦略の間違いということになります

地球規模での変化を捉えられずに、国内での競争関係から得られた戦略に

拘ってしまったとも言えます


一つの例をソニーにとりましょう

ソニーは戦後にできた会社で、製品のユニークさ、高い品質とデザインで

他社と比較して1〜2割高くても利益を確保しながら成長してきました

狙いはマーケットシェアではなく市場の上位5%を顧客層としてきたからです


最近の例で言えばJR九州の『ななつ星列車』のようなもので、シェアでは

なく内容で勝負、列車本数は限られますのでそれほど多くの顧客は必要

ありませんが高価格は維持できます


ソニーに話を戻すと、ある時点からシェアを意識するようになり価格競争

巻き込まれてしまい、利益が取れずに徐々にジリ貧になってしまったのです


過去にはカシオとシャープの激しい価格競争を見て電卓から撤退したのとは

相当に違った経営判断でした


新しい商品カテゴリーを開発し、開発者利益を得た後は市場のトップ5%を

狙った戦略に特化して利益を確保、その間に次の新商品カテゴリーを開発する

という流れから逸脱したところからおかしくなりました


台湾、韓国、中国企業との価格競争では勝てません

特にデジタル製品は中心となるICチップと基幹部品を使えば性能差はほとんど

ありませんのでどうしても価格競争になり、ボリュームゾーンでの品質競争は

難しくなります


デジタル化が進んだ1990年代はじめの時点で戦略転換すべきでした

先週書いた過去の税収最大であった1990年と一致します


アップルはMacから始まりiPod,iPhoneそしてiTuneと新しいカテゴリーを作り

技術的には最高ではなくともデザインと品質の高さで高価格を維持しています


半導体の世界でもIntelはロジックICに特化し独占的な地位を築きましたが

東芝をはじめとした日本勢は価格競争に巻き込まれてしまったメモリーに

しがみついた結果その地位を失いました


企業戦略の差は明らかです


大きな地図を見られる企業トップの出現が望まれます