日本企業はどこで間違ったのか その2
産業政策という点から見ると日本の現実を把握し、最適の戦略を立てることが
重要ですが、戦後の発展期とそれに続く『追いつき、追い越せ』の発想から
転換できなかった点がポイントとなります
現実は常に変化し、国内の状況だけでなく外国の状況にも大きく左右されるので
常に情報を取得し先読みをすることが大切となりますが、日本語訳された情報で判断
すると、翻訳分だけ遅くなり、また全く新しい考え方や理論は翻訳されないという
課題にも直面します
一方で企業側も組織が大きくなるほど動きが遅くなるのは巨大タンカーとレジャー用
モーターボートとの違いを見れば明らかなように、舵を切っても俊敏な動きは
できません
動きが遅くなること自体は自然のことなのでどの程度変わるのかを認識することが
大事になりますが、時間をかけて少しずつ変化したことはなかなか気がつき難い
ものです
もちろん早く動ける組織を作る努力は必要になりますが、むしろ周囲の変化と
自己の変貌をどうやって把握するかが最も大切なこととなります
この点で企業努力が足りなかったのではないか、現状の成功に安心してしまったと
いうことが無いのでしょうか
『茹でガエル』現象という言葉もあるとおり、よほど注意しないと変化を見過ごして
しまいます
IT産業もAIのような最新の動向もあっという間に古くなってしまう可能性があるので
最先端の変化に対する感覚を研ぎ澄ますことがますます重要になります
最近は安定を求める風潮が強くなっていますが、今は逆に変化を求める必要が
あるように感じられます