その221        2019/8/19に掲載

内定辞退率を購入? 販売?


報道では個人情報保護法の観点から学生個人に対しての説明が不明瞭な部分が

あったということですがこの説明には非常に違和感があリますし、あまりに

表面的です


情報提供側の過去類似事例に基づく予測ないし確率の提供であって、本人の意思を

確かめたものではありません


これは企業にとっては採用判断の放棄に他なりません


企業は自己責任で判断すべきであり、採用担当者はそのための実力を養成すべきで

あって人間を確率で論じるという姿勢そのものが社員をどう見ているかを表して

います


内定辞退が多いのであれば、企業が十分に魅力を伝えられていないということで

安易に統計的類推での数合わせ的な方策に頼るべきではないと感じます


採用は本人が当該企業で実力を発揮できるのかどうかを見極めることであって

確率論ではありません


金を払って、統計データを買っているようではノーベル賞並みの発明や

画期的な商品開発をしてくれる人を惹きつけることはできないでしょうし

そのことに気づくべきではないでしょうか


この情報を購入していた企業は一様に『採用判断には使っていない』と

言っていますが、それでは何に利用しようとしていたのかという説明責任

あります


AIITだとやたら計算ロジックに頼る時代になりましたが、人間の魅力は

もっと違うことにあります


要するに採用担当者の自信のなさの表れではないでしょうか


辞退どころか、断るのに苦労するような魅力のある職場を作ることが先決で

テクニックに走り、本質を忘れているような企業がグローバルな競争に

勝てるとは思えません


大企業の安定した職場を求める学生を何百人集めても魅力のある企業には

ならないことを肝に銘ずべきではないでしょうか


このような本質論でなく、個人情報保護という形式論で議論がなされ、メディアも

追求しないことに現代の課題が明確に出ているのではないでしょうか


学生こそ、声を上げて両方の企業を非難すべきです