何故、企業に余剰資金があるのか
金利を下げても景気が回復しないのは、そもそも資金需要が少ないからです
それでは何故資金需要が少ないかといえば二つのことが考えらえます
まず、企業は余剰資金、いわゆる未処分利益、を抱え込んでいること
二つ目は投資先がないということ
戦後長く続いた景気拡大局面では常に資金不足状態にあったので、金利が
低下して借りやすくなると各企業とも借り入れを増やし、投資を実行し
その結果売上が増大し利益を享受し、借入金を返済しつつ、更なる資金で
企業活動拡大のための投資を実行しました
ところが韓国、そして中国の台頭で輸出産業を中心とした製造業に大きな
構造変化が起き、安価=>安価で高品質=>新技術による新製品というサイクルが
回らなくなりましたが、企業戦略も政府の政策も旧態依然とした戦後成長期
の戦略のままですから、世界の動きに対処できていません
ようやく企業買収によって世界規模の競争に参加し始めましたが、グローバル
な企業統治のノウハウがないまま十分な効果を表さないどころか、場合に
よっては重荷になってしまっています
グローバルな視点で企業戦略を考える人材が日本企業内では十分活躍できて
いないということです
その結果、円安と過去の遺産で収益は確保しているものの、余剰資金を
投資する戦略が不在のまま資金を積み上げている状況です
これでは景気は良くならないばかりか世界の潮流から取り残されてしまいます
グローバルに活躍できる人材の思い切った登用と、改善でなく改革を実施
する勇気と、それらを後押しする政策が必要です