瓢箪から駒で世界の潮流が変わる
ジョン万次郎が鳥島で救助されたのはアメリカの捕鯨船、この時代には太平洋のみ
ならず日本海側でも捕鯨が行われていましたが、もちろん鯨の肉を採るのではなく
鯨油の採取が目的でしたから、船上で搾油した後鯨肉は海に捨てていました
鯨油は石油が利用され始めても原潜で使われる潤滑油には最後まで鯨油が使われて
いました
通常型潜水艦より遥かに深いところまで潜航できる原潜には極低温でも使用できる
潤滑油が必要で、石油由来の代替品はなかなかできなかったからです
しかし、アメリカで高性能の合成潤滑油が完成した時に、鯨の保護を唱え、冷戦の
相手であるソ連が鯨油を入手できないようにしたのです
米軍やアメリカ政府が直接鯨の保護を訴えるのではなく、環境保護団体に援助する
ことで世界的な動きを作り上げたのです
似たようなことは禁煙にもあります
アメリカから始まった禁煙は、当初の目的は麻薬撲滅が主たる目的でした
マリファナはタバコのように吸えるので、職場や公共の場所でもタバコを吸うように
マリファナを吸うことが始まり、取締りが困難だったのです
そこで、タバコを含めた全面的禁煙活動を始めたのです
もっとも、その後アメリカを始めたとして禁煙は広まったものの、逆にマリファナは
嗜好品として認められるところが増えてしまいました
これらはまさに「瓢箪から駒」と言えるかもしれません
11月9日はベルリンの壁が崩壊した記念日ですが、これもきっかけはちょっとした
誤解からでした
東欧諸国では既に旅行制限の緩和が進んでおり、連日デモが続いていた東独でも
ホーネッカー議長が人気挽回を目指して東欧圏内の旅行の自由化を決めました
そのニュースを聞いた東ベルリンの市民が検問所を訪れ、いつから変更なのかを
問い合わせたところ、政府の担当者が政府の中枢に問い合わせることなく、決定した
なら今から有効と答えたために、多数の市民が西ベルリンへの検問所に押しかけ
守備隊は止めたら暴動になると感じ、通過を認めたために、東欧圏のみならず
西側への通過が既成事実としてしまったのです
元々、このような情報は東独内では流れることはなかったのですが、多くの市民が
西側の放送を聞いていたために起きたことです
やってみないと分からないことも沢山あると言うことですから、なんでも無理と
思わずにチャレンジすることが大切です