不安解消には具体的な情報公開を
突然ヨーロッパに飛び火した新型コロナウィルスの感染者拡大でついにパンデミック
宣言が出ました
それに呼応するように世界中でトイレットペーパー不足が起きています
マスクが不足するのは実需が生産を突然上回ったからで原因は明確ですが
トイレットペーパについては噂がきっかけで世界中に広まりました
現象としてはある特定商品がなくなるということで共通していますが、なぜ起きた
かという原因は全く異なります
販売店も生産者も政府もトイレットペーパーの不足はないと言っていても、皆が
買い溜めに走ってしまうのは何故でしょうか?
実際に生産量と平均的な需要という数字を示しても騒ぎは収まりません
原因を考えてみましょう
1.コロナ感染について情報が小出しにされてきた
2.明確な解決策がない現状ではやむを得ないこととは言え、楽観的な発表が多い
3.その度ごとに楽観論が否定され、感染が拡大している
4.PCR検査が簡単には受けられないので不安を感じている人がいる
このような状況下でトイレットペーパーが無くなるという噂は石油ショックの時の
記憶がある人にとっては現実的な事態だという感覚がある上に、これまでの発表が
楽観論から始まり、その都度事実が否定されることと併せて噂が本当になるという
発想になって行動に移してしまったのでしょう
1月初めごろ中国で発生当初時に「専門家」のコメントは「人から人への感染は
無く、中国での感染は例外的」なので、日本に感染が広まることは無いというもの
でした
しかし実際には間違いだったのです
このように一度信頼の土台が崩れるとその後どんなに情報発信しても本当のことでも
信用されなくなってしまいます
危機に対する先見性と素早く、且つ正確な情報を当初から発表できるかどうかが
噂を広めないために必要なことで、高い評価を受けている台湾での対応がこれに
当たります
初動の少しのズレが大きな落差になってしまう怖さを感じました