日本型 緑の党
最近、ヨーロッパの選挙で「緑の党」のような政党が多くの支持を集め始めています
が日本ではほとんどありません、何故でしょうか
日本の置かれた状況は、まずエネルギー源がないということです
古くは石炭が主力で水力と合わせてそれなりにエネルギー源を確保できていましたが
それでも昭和初期からの工業化と石油の重要性が増すなかで、結局石油資源を求め
て太平洋戦争へと突き進んでゆきました
戦後は石油を中東に最大限の依存をし、さらに原子力の活用ということで安定した
時期もありましたが、石油ショックと福島原発事故で奥底にあった不安が現実の
ものとなりました
原子力は多くても全エネルギー供給の三分の一程度であり、ピーク時でも必要
エネルギーの過半を供給することはありませんでしたので、やはり主力は石油と
天然ガスという輸入エネルギーに頼らざるを得ないということでした
これからの世界を考えるとエネルギー源の多様化、国内確保が主要な論点になり
ますが、残念ながらそのような議論はあまりなされていません
本来的にこのような主張をしてきたのが「緑の党」と言われる政党です
石炭からの転換を迫られ、ロシアへの天然ガス依存度が高いドイツで自前の風力発電
に力を注ぎフランスからの原発電力の輸入削減を目指す中で「緑の党」が大きな
力となったことも偶然ではありません
このように考えると、最も脆弱なエネルギー政策をとる日本で「緑の党」のような
主張が出てこないのは不思議なことです
コロナウィルスが広がるとトイレットペーパーの買い占めに走る心理のもとには
資源が足りないという石油ショック時の記憶が蘇るからでしょうが、そうであれば
普段からもっとエネルギー政策に関心を持つべきです
国民の多くが関心を持てば「緑の党」のような主張をする組織が育ってくる環境が
整い、結果的に足腰の強い国になるのではないでしょうか
自民独裁、だらしない野党という与野党の構図が定着しかけていますが、争点を
エネルギー政策におけば古い与野党の対決構図が崩れ、新しい政策ドメインが
出現し、若者の政治への関心も一気に盛り上がるのではないでしょうか