“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

アル・カポネ、禁酒法、個人情報

三題噺にかけて考えてみます

シカゴマフィアとして有名なアル・カポネ、彼と対峙したFBIのエリオット・ネス

街中での銃撃戦など何度も映画にもなり誰でも知っているシーンですが、実際

アル・カポネは何の罪で捕まったのでしょうか?

殺人?禁酒法違反の密造酒製造・販売?いずれも違います

罪状は脱税です、そして罰金刑ではなく禁固刑となり収監され決着がつきました

日本の暴力団でも同様ですが、マフィアのような組織では顧問弁護士もいますし

命令は直接ではなく間接的に証拠のない形で実行されるので、下部の組織員は逮捕

されてもトップにまで司法の手が伸びることはありません

そこでFBIは脱税という搦手から逮捕、訴追したのです

これ以来脱税はシンボリックな罪状となり、どんな有名人でも脱税で有罪になると

例え罰金刑であっても社会的には制裁されるようになりました

刑法犯では犯罪の意思が重要な要素ですが、脱税は外形的な数値のみで立証できます

翻って日本でのマイナンバーを考えると大きな反対理由が「個人情報の保護」です

個人情報とはなんでしょうか

マイナンバーの当初の導入目的が資産の把握にあり、税金の捕捉にありました

アメリカのSSナンバー(Social Security Number)を参考にしたからです

しかし個人情報保護の名目で資産把握から税金が課せられるのを防ぐことが本当の

理由であるとすれば、アル・カポネの例をとるまでもなくあってはならないことです

日本では脱税があってもほとんどが罰金刑にもならず重加算税の支払いで済み

コメントでは「課税当局との意見の差があり既に重加算税を含めて納付済みです」

というコメントで一件落着し社会的な制裁もほとんどありません

談合、贈収賄を含め組織ぐるみの犯罪は立証が困難で放置されることが多いのですが

エリオット・ネスとFBIはそこに一つの風穴を開け、社会も脱税者を社会的に制裁

することで健全な社会を維持しようとしました

このようなアメリカと、立証責任のアイデアにも欠け、社会的な制裁も薄い日本

では大きな差が出てしまいます

自由放任に近いアメリカですが、その裏でこのような社会的制裁、今回のフロイド

事件に見られる社会的連帯が自由放任のセーフティーネットになっていることを

もっと認識するべきではないでしょうか