福島原発の汚染水処理に思う
福島原発の汚染水タンクが満杯になるので海洋放出を決定したが、地元の漁業関係者
からの反対が強くこれからどうなるのか?
結局政府はそのまま押し切ってしまうのだろうが、いくつかの疑問を感じました
1.なぜもっと早く決定しなかったのか
2.世界中の原発で同様の処理がされているのに何故これほどの反対があるのか
3.事故前の福島原発でも同じような放出があった筈なのに今回はなぜ反対なのか
4.黒潮が流れ着くアメリカ西海岸ではなく日本海側の中国、韓国が反対するのか
このような状況を考えると政府の進め方が稚拙であることが明確になってきました
原発事故=汚染水=放出=健康被害=反対
という流れは十分に理解できまさすが科学的、論理的に考えれば現時点では海洋
放出しか手段がないことは明白です
これらを基礎に現状を考えると戦略性の欠如が明白です
では、本来どのようにすれば良かったのかを検証してみましょう
2と3は不信感と過去10年の無策に対する怒りで当然の反応でしょう
4は政治的な観点から考えるべきで日中、日韓関係の悪化によるものです
それではどうすれば良かったのでしょうか
1.早い段階からIAEAを巻き込む:対策チームにIAEAのオブザーバーを参加させる
2.同様に関係諸国にもオブザーバーの派遣を要請する
3.アメリカ、カナダ、ロシア、中国、韓国
4.地元利害関係者、特に漁業関係者の参加を求める
5.国際共同チームからの提言を求める
6.予想される対策は海洋放出になる可能性が高い
7.定期的な会議進行状況の公表と放出後のデータ公表を事前に対策案に盛り込む
事故後5年を目処に対策チームを立ち上げ検討に十分な時間をかけ、結論が出た後も
地元への説明会を十分に行う
このようにすれば、結論に対して利害関係者全員が責任を持つことになり、個人
レベルでの反対感情は残るものの組織としての反対は少なくなるでしょう
このような戦略は将来を見通すことで初めて立案できるので、現状から遡及して
考えると「Too Little, Too Late, No Strategy」という日本の現状が浮かび上がります
風評被害に対して対策を行うと言っていますが、既に「風評」は起きていますので
手遅れです、風評は起きないような対策を立てなければ意味がありません
立案のプロセスに関係者全員が参加し皆が納得することが風評対策でもあります
ここから想起されるのは日本が急坂を転げ落ちるように没落へ向かっているという
事実です