猿真似とアイデア拝借
ダイナミックプライシングをJRの切符にも適用、と聞けば何か柔軟な対応を始める
と感じてしまいますが内容をよく検討すると実効性がないことに気づきます
海外でも実施しているからとのことですが、そもそも混雑時に電車に乗るのは
どういう人でしょうか?
圧倒的に通勤客ですから、通勤費が高くなるだけで、混雑緩和にどれほどの効果が
あるのかわかりません
ニューヨーク近郊で実施されているのは「定期券の時間帯別料金」です
JRに当てはめると6カ月定期の割引率が概ね40%のところ、例えば通勤時間帯は
割引率なし、その前後一時間は20%引き、さらに一時間外すと40%引きにする
というようなもので、この場合会社は経費削減のため、時差出勤やフレキシブル
タイムを導入して通勤時間の分散を図ります
つまり経済原則を応用した制度で、お上の命令のような強制的な制度導入では
ありません
最近のコロナ対策の時短営業にしても、実際には効果が上がっていないし、店舗に
とっては死活問題になります
これもニューヨークやカリフォルニアでは屋外OKから始まり屋内も当初は25%まで
そして徐々に50%、そして全面解除と緩めてゆき時間制限はありません
これに1組あたりの時間制限を組み合わせ、例えば入店から二時間までとすれば
屋内で密になることを避けられ、就業時間を気にしてかえって会話や飲食が緩んで
しまうことも少なくなりますし、店の売り上げもそれなりに確保できます
このように諸外国で実施しているアイデアを活用するのは大いに結構ですが
まずは本質、つまり何を狙い経済原則=マーケットメカニズムにのせるかを真似すれば
効果はあるのに外形だけ真似て上から押し付けても実効性のある広がりにはなり
ません
これを猿真似と呼ぶのでしょう