予言と予測
ある程度の検証可能なデータに基づく将来予測と個人の感性に主たる根拠を置く
予言とは同じことを主張しても内容は異なります
特に予言は時間的には遠い将来を予測することが多く、例えばキリスト教の終末
思想は1,000年も先のことですから誰も結果を見ることはありません
さて、最近「日本の自殺」という本を読みました
1975年に書かれた本ですから予言ではなく予測となるのでしょうが、現在の日本の
姿を見るとかなり的中しているようです
因みに私自身も1968年に20年後に日本は衰退の道を辿るとの予測をしましたが
1989年のバブルの崩壊が21年後、その後の30年はまさに凋落の道を辿り成長率は
平均で1〜2%となってしまい人口も減少し始め確実に衰退に向かっています
「日本の自殺」ではローマ帝国をはじめとた過去の文明が衰退に向かった原因
を検証し、絶頂期に内部崩壊の基が芽生え外部要因でなく内部要因が衰退の原因で
あるとし当時の日本の状況を当てはめて検証しています
企業も衰退に向かうのは内部崩壊が主因であることが多く、競争激化や市場環境の
変化ではないという主張が多くあります
私の予測は「大学闘争」(大学紛争ではなく)の原因と収束の過程に基づいています
大学闘争の始まりは東大医学部での学生処分に端を発し、処分が誤りだったにも
かかわらず教授会が調査もせず、撤回もせず、謝罪もしなかったという管理体制の
不備が根本原因になってまさに統治機構が正常に働いていなかったことが原因です
その後の経過はともかくとして事実を認めず曖昧に幕引きをするという最近でも
見かける景色の発端でもありました
つまり管理能力の欠如=組織の内部崩壊の芽生えということになり文明崩壊の過程と
軌を一にしているのです
予測が当たるのは嬉しいことですがこのような予測は外れて欲しいと思いますし
予測ができた時点で多くの人が現実を直視し、危機感を持ち、抵抗に逆らって
修正する勇気があれば何年も先になってようやく気づいた時にはすでに手遅れと
いう事態は避けられたのだと思います
自分自身がこのような行動をとったのかを自問すると忸怩たる思いもあります
反省! 反省!