“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

柔らかい個人主義の誕生を読む その1

1980年に山崎正和が著した『柔らかい個人主義の誕生』40年後の今、本棚

から取り出して読み始めました

1960年代と1970年代では社会的な価値観が大きく変化したことを大胆にも

80年代初頭に分析した本ですが、まさに正鵠を得ていて今の時代にもあて

はまることに驚きましたので何回かに分けて記したいと考えました

60年代までは『追いつき、追い越せ』という目的が明確で産業革命以来の

生産性至上主義に誰もが疑問を持たずにこれからは良い時代が来るという

共通認識がありました

『三種の神器』冷蔵庫、洗濯機、テレビを揃えることが実現した時代でした

その後は『3C』カラーテレビ、クーラー、車(カー)が続きます

そして70年代になるとGDP世界二位(当時の指標はGNP)となりまだ大きな差

のあったアメリカを除き西欧主要国を抜いて目標達成し、そこで目標喪失と

なってしまいました

実は世界的にも国家や組織の目標達成のための活動から各個人がそれぞれの

目標を見つけなければならない時代になっており、多くの人が喪失感に襲われ

彷徨い始めた時期になります

新しい目標を見つける前にバブルが崩壊し、さらに彷徨うことになります

しかしその後も『失われた10年』とか『失われ20年』という言葉に代表される

ように60年代への回帰を目指してしまい、新しい発想が生まれなかったことは

既に経験したことですが、国も企業も教育機関もそして各個人もそのような

変質が起き各自がそれぞれ目的を見つけそれを追求する社会になったという

ことに気づいていません

最近のオリンピックや万博開催は正にその表れですから多数の共感を得られ

ないことは明白です

さらに効率を追求することが是、効率的な生産で物質的な豊かさを求める

ことから情報の発信によって各個人が自ら考えるような社会への変質が重要

とも述べています

今の時代にも通用するというより40年間も我々はそのような探究をサボって

いたということになります

(次回に続く)