デフレなのか不況なのか
過去30年間の経済停滞を打破するためとしていわゆる「アベノミックス」政策
によって脱デフレ、インフレ目標2%が唱えられましたが、10年間実施しても
目標は達成されていません
最近では輸入物価の上昇でインフレ2%も見えてきましたが、本来の政策目標
である景気回復の好循環は全く見えない状況です
各国の中央銀行はインフレを嫌いそのような金融政策をとるのですが日銀は
全く異例なことに中央銀行がインフレを目指していたのです
なぜこのようなことになったのでしょうか
答えは簡単で当初から景気の診断を誤っていたからです
バブル崩壊以後の景気後退に加え東日本大震災の影響もあり長らく日本経済は
低迷していました、つまり不況=不景気だったのですが政府はこのような表現
を嫌い「デフレ」というレッテルを貼ったのです
どんな名医でも診断が間違っていたら良い治療はできません
同様に景気判断(診断)が間違っていたら誤った政策をとってしまいます
過去30年間が不景気なのであればここから脱却するための政策は単に低金利
での潤沢な資金提供のみでは効果がありません
好景気であれば低金利=投資活動の活発化=更なる景気上昇となりますが
不況下で投資意欲が低い時には低金利でも投資活動は活発化せず、唯一潤沢
な資金を利用した海外での投資活動が行われるだけで国内の産業、労働者への
配分はほとんどありませんから10年継続しても不景気から脱却できずインフレ
も実現しません
正しい診断の基づく正しい処方箋のみが事態を改善します
1990年から永い不景気にあり、産業構造の転換もなく非効率なゾンビ企業が
存続しさらに事業継続資金を投入しているという非効率な資金運用では
このネガティブスパイラルから抜け出すことはできません
デフレではなく不景気なのだという認識を持つことが泥沼から脱却するための
第一歩になります