何故 出生率が高まらないのか
出生率が恒常的に1.5を下回り始めたのは1995年からでそれ以来約30年間
改善が見られません
最近の1.36という衝撃的な数字を受けて政府は様々な対策を講じようとして
います、出産補助、不妊治療費の補助などですがこれらの政策は過去何年も
議論され似たような政策は実施されていますが残念ながら結果は出ていません
それは出生率は経済状況、特に先行きの経済見通しに影響されているからで
別掲のグラフを見れば明らかなように石油ショック、バブル崩壊、リーマン
ショックそして最近のコロナ禍という節目ごとにGDPは階段を降りるように
下がり、それに伴って失業率は上昇し、出生率は下がっています
この現象は世界的に同様で例えば中国でも一人っ子政策の変更にもかかわらず
GDP伸び率の低下とともに出生率は下がっていますし、他の先進国でも
急激な成長が止まると出生率が下がり四半世紀後には老齢化が始まっています
つまり、将来の見通しが立たない、あるいは将来も今と暮らしが変わらない
場合によっては悪くなるかもしれないと感じると現状の生活水準で物事を
判断するのでとても子供を育てられないという感覚になります
さて実際はどうでしょうか
3年ほど前まである幼稚園の経営に関わっていましたが、子供3人の家庭も
珍しくなく逆に一人っ子は少なかったのは何故でしょうか
比較的学費の高い幼稚園でしたので、入園希望者家庭の収入も平均よりは
かなり高いことが類推されますので、将来の生活に対する不安感は少なく
結果的に子供の数が多くなっていたのではないかと考えられます
翻って自らの生活を考えると社会人になって早い時期に車を買い、遊びまわり
結婚して家を買いましたが将来に対しては『何とかなる』と楽観視していた
のも事実です、そして実際年収の10倍もする家を買っても何とかなったのです
石油ショックで物価は1年で30%も50%も上がりましたが1,2年遅れで収入も
同程度上がり生活感は変わらなかったように記憶しています
ここから得られる結論は最も効果的な対策は経済の活性化ということになり
30年も固定化された経済政治環境を打破するような大変革が求められているの
です