利益率の内外格差
日経新聞に各国企業の純利益率の違いという記事がありました
それによると日本は利益率5%未満の企業が全体の58%を占め米国(27%)
欧州(36%)を上回り、中国(27%)よりも大きいという結果です
以前アメリカ企業の経営者と話をしていた時に新技術を使って新しい製品を
開発したが発売は中止したということなので理由を聞いたところ利益率が
低いことが見込まれるのでやめたとのこと
さらに聞いてみると粗利益6割で計算すると商品価格が競合他社製品の2倍
となり競争力がないので止めたとのこと
日本企業の発想では販売数量が増えれば原価は下がることが見込まれるので
他社製品より10%程度高めの価格設定で当初は損益トントンでもシェアを
確保できれば粗利益4割程度にはなるという計算をします
この考え方の違いにびっくりしたのですがこの記事のように利益率の差が
圧倒的になる理由がよくわかります
「過当競争」という言葉を聞きますが、経済理論的には過当競争という概念は
無くあくまでも競争です
厳しい競争はありますが、その結果として優勝劣敗が明確になれば敗者は
市場から撤退し新しい分野へ再び挑戦するというのが「市場原理」です
日本で言われる「過当競争」とは敗者が撤退せず金融機関の援助で生き延びる
ことを意味していて「市場原理が働かない」ことになります
平成の時代以降30年以上低迷が続く日本経済の真の原因はこのあたりにある
のでしょう
「市場原理で撤退」した企業の従業員を援助し、必要な技能・技術をつける
教育援助をするのが社会全体の役割で非効率な企業組織を存続させることでは
ありませんし、そのことで社会全体が貧しくなることは避けねばなりません
「3期6年」を大過なく過ごしたいという経営者には退場願い武勇伝を語れる
ような経営者を歓迎できるようになれば世の中の雰囲気も随分と変化し
前向きな活動が増えてくるでしょう
日本ハムフィアターズが今年からエスコンフィールドという新球場で試合を
しますが、今までの野球場の概念と異なりエンターテインメント性十分の
野球場を作りました
個人的には新庄監督の贔屓ではありませんが新概念には賛同します