激変緩和措置と静かに進行する貧困
「激変緩和措置」と聞くと一見良い施策のように聞こえますが実際には影響が
長引き徐々に体力を奪い無力化する可能性が高いとも言えます
起きるべき変化はそのままとし最低限の救済措置をとり経済活動には直接介入
しないのが近代資本主義あるいは市場主義です
経済活動はあくまでも自由に競争しながら弱者救済のセーフティネットを
設けるべきで競争そのものに介入するのは権威主義的で真の民主主義では
ありません
最近のウクライナ戦争を発端とする急激なインフレに対する各国の対応を
見るとその差異が明白です
ヨーロッパもアメリカも原材料費等の値上げを価格転化したので一時期は10%
を超えるインフレになり賃金の上昇を誘発しやがてサービス価格にも影響が
出ましたが最近では落ち着きを取り戻しつつあり特にアメリカは予想された
景気後退もなく順調な経済活動が継続しています
一方日本では企業がコスト上昇をある程度吸収し価格転化のスピードが遅く
急激な消費者価格への影響は避けられましたがそれも一時的で結局価格転化
せざるを得ず今でも価格転化が継続していてインフレが収まりません
このように広い意味での激変緩和措置が政府でも企業でも行われていますが
長期的に見ると徐々に政府,企業,個人の体力を奪い疲弊化してしまいます
人口も減少し始めた日本では致命的な影響が出てきますが茹でガエルのように
変化に気づき難いことが致命的です
これを「静かに進行する貧困」と名付けたわけです
カーボンフリーに伴う車のEV化、在宅勤務に伴う通勤の変化、あらゆる側面
での性差の縮小が急激に起きていてパラダイムシフトとも言えます
このような状況では革命的な変化が求められ、小さな改善の積み重ねでは
対応できなくなります
全く同じ状況が最近世界経済フォーラムで発表されたジェンダーギャップ調査
にも現れています
低迷を脱するには急激な改革が必要で政府の役割は網の目から溢れた人を
救うことにありますが現実には全く逆で大きなセーフティーネットを上にも
下にも張り身動きできないことで現状脱却も叶わないことになっています