“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

市場経済のコスト

国民の自由度が高まるという意味で市場原理に変わる制度は今のところあり

ませんがコストがかかることも認識しなければなりません

市場原理とはアダムスミスに戻れば自由な消費者が神の手により最終的に

妥当な需給バランスに到達し均衡すると言われていますが前提として参加者が

全て等しい情報を同時に得られることで均衡点が形成されるのです

しかし現実の社会では、特に最近のようにこグローバルな広がりを持った

市場ではこの前提は怪しくなり情報格差や時間の格差があります

それでも市場原理は統制経済よりも機能的で合理的です

ここで考えなくてはならないのは不確実で時差のある情報に基づく一定の

タイムラグがありこの間は市場原理が働かず不公平や不利益が発生する危険が

あるということです

これを市場原理のコストと言っても良いでしょう

問題はどの程度のコストが許容され、また損失(損害)の補填がどのように算出

され実施されるのかということについて参加者の理解が得られているかどうか

ということでこれは政治や行政の役割となります

極端に言えば選挙とはこのような損失補償の考え方を各政党間で見極めること

になるのかもしれません

具体的な例を挙げるとタクシーのライドシェア制度の解禁があります

インドネシアから帰国したある記者よると日本ではライドシェがなく非常に

不便だと感じているとのことです

現地でも当初は悪質なドライバーや慣れないことでのトラブルがあったそう

ですが徐々にルールが整備され、また利用者も慣れてきたために今では日常

生活に溶け込んでいるとのことです

この不慣れな期間のトラブルが市場経済のコストに他なりません

何事も変化にはコストがかかることを認識すれば一定期間後には制度が定着し

生活が便利になるということです

残念ながら日本では少しでも課題があると市場原理のコストではなく制度

そのものの欠陥だとして導入が阻まれてしまいますが長期的にみると新しい

ことをやらないコストは導入当初のコストを遥かに上回っていて長期的には

かえって効率が低下してしまいます

バブル以降の経済低迷の原因はこの辺りにあるのではないでしょうか