100年住宅と現実
住宅メーカーの広告で100年住宅というのがあります
日本人の寿命も年々延びて100歳に近づきつつありますがそれに合わせて
住宅も100年ということでしょうか
本当は長く使えるという意味でこのような表現を使っているのでしょうが
現実はどうでしょう
その前に考えなければならないのは日本の土地取引の標準は更地だという
ことで、例え100年住宅が建っていても中古住宅として売買される例は少なく
更地にして土地の値段での売買となってしまうということです
人生100年、住宅も100年、でも葬式出したら家も火葬して下さい!
最大の理由は中古住宅のマーケットができていないからで、さらに言えば
中古住宅の査定が標準化されていないからです
そのために持ち家のメンテナンスは最低限で中古住宅の価値を上げようと
する手直しや増築はほとんどありません
歳をとったら老人ホームで寝たきりになって静かに余生を過ごしましょう
というのに似ていて積極的に運動をして若い人とも接触し気も心も若さを
保ちましょうという発想は稀なのとよく似ています
欧米では木造でも100年以上の家屋は珍しくなく手入れも十分にされ価値の
維持、場合によっては価値向上の投資が行われて多くの中古住宅が売買されて
います
TVのCMでは90歳を超えるお年寄りが元気に歩き溌剌な姿が見受けられますが
サプリメントや薬を飲めば誰でもそうなるとは信じていません
しかし、住宅はメンテナンスをきちっとやれば住宅メーカーが宣伝するように
長く使えるものです
一生で最も高い買い物である家屋について自分の身体のように必要な栄養剤や
サプリメントを施してやれば100年住宅は可能で、そうなれば財産形成にも
多大なメリットがあるでしょう
保有資産が多い高年齢層に向けてサプリメントの広告をするように住宅の
価値維持の投資をしましょうという宣伝は見たことがないのはウケが悪い
からでしょうね、そう思います