“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

日銀はサプライズが本来の役割なのか

またまた、日銀によるサプリズがあり、効果が疑問視されているマイナス金利の

導入が決まりました、しかも5:4という僅差の決定です。 FRBであれば議長の

不信任にあたります。 多数決と言いますが、アメリカの制度にはいくつか良く

考えられた規定があり、例えば上院での議決は51票が過半数ですが重要法案に

限っては60票が必要ですし、フィリバスター(時間無制限発言による審議引き延し)

も重要法案では認められています

さて、本題に戻りますがマイナス金利の導入は危険な賭けではないでしょうか

3年前のアベノミクスの際にもコメントしましたが、アベノミクスは成功しない、何故

なら政策の導入順番が違うからと指摘しました。 抜本的な制度改革が一番

そのための時間稼ぎの補強手段として金利政策や財政政策があるのに、

改革推進の政策が無いまま金融政策を実施しても効果は無いと述べました

20年前のように企業に金がなく、国民に金があった(貯蓄率高い)時には低金利は

貯蓄から銀行を通じて資金が企業に供給されるので景気高揚策となります。 しかし

今は企業は金持ち(未処分利益が積み上がっている)なのに、国民は貧乏なのです

特にサラリーマンは賃金は伸びず、貯蓄はありません。 預金残高が500兆円以上

(一世帯当たり1,000万円)ありますが大半は高齢者でお金を使わない世代ですし、

保有する土地家屋がバブル崩壊以降値下がりして資産全体は毀損しているのです

つまり、国民はデフレ歓迎なのですが、政府は強引にインフレにしようとしています

20年前までは国民の唯一の資産形成手段であった地価が大きく値下がりし、土地

を保有している高年齢層のバランスシートは悪化していますので、心理的に預金は

使わないということになっています。 若手は給与が10年も上がらないので、やはり

節約志向になっています

企業が投資をしないのは、国内に需要がないからであって資金がないからでは

ありません。 だからいくら金利が低くなっても(今でも十分に低いのです)国内に

投資はしません。 輸出企業は過去30年間の円高に耐えるため為替を中立化する

対策をしてきましたので円安になっても輸出は増えません。 決算上、外貨建て

部分を円換算した利益の上乗せはありますが昇給のような恒常的な支出はしません

中央銀行の役割は信頼感と政策の一貫性です。 人を驚かせてはいけません

政府は自らの身を切り、選挙制度改革や行政改革(人口が減少しているのであれば

行政組織を簡素化しなければ相対的に肥大化していることになる)、そして最も大切

な規制撤廃を実施すべきです。 そうすれば国内での投資意欲が高まり景気も

回復するでしょう

何故、日本人は哲学を持たなくなったのか

カント、デカルト、ヘーゲルを読めという話ではありません

私が学生だった頃までは友人の四畳半の下宿に上がり込み、サントリーの角を

(トリスでないところが多少金持ちだったのかも)飲みながら口角泡を飛ばして青臭い

書生論議をしたものです。 これが哲学かどうかはわかりませんが、議論のなかで

論理的な思考、合理的な考え方、相手を説得する論旨の確かさ等が磨かれていた

ことは間違いがありません。 さらに全共闘時代でしたから独特の論理に従った

議論もたくさんしたので、今でもどこで誰と議論しても負けないという自信があります

海外との取引を含め、真っ向から議論できたのはこのような下地があったからだと

考えています

翻って、最近の風潮を見るとあまりこのようなことをやっているという話を聞きません

政策を見ても、論旨が曖昧で法律も土台がしっかりしないものが多々あります

何日か前にフランスの少子化対策についての記事を読みました。 1970年代、

フランスでは人口減少に悩み出生率が低下していました。 この頃は日本でも

ヨーロッパでも学生運動華やかな頃でフランスでも連日のようにデモがありました

ドゴールが改革政策を導入し落ち着いてきたのですが、任命された文部大臣は

30歳代半ばの若手、大学改革では全国の大学を統一し門戸開放、その結果

パリのソルボンヌ大学という名前は消え第8大学となりました。 少子化対策も

このような時に導入されたようです。 池田首相の所得倍増計画を真似て

フランス版所得倍増計画もできました。 その結果、今では出生率も2.0にまで

回復しましたが、一方で結婚しないカップルも大幅に増加し全体の半数近くが

パートナーという形になっています。 それではどのような政策が取られたのか

というとシラク3原則と言って主として女性の権利保護と収入の安定、そして

保育施設の充実あるいは十分な保育補助ということだそうです

どこかの国で昔あった“産めよ増やせよ”ということではなく、しっかりとした哲学の

もとに環境の整備をしたということです。 考え方の基礎がしっかりしているから

信用もされるし皆で共有できるということでしょう

日本でも、企業にせよ政府にせよしっかりした考え方(私はこれを哲学と呼ん

います)に沿った施策を立案し、主張し、迷わず実行するようになることを望んで

止みません

仕事を半分にすると世の中が違って見える

パーキンソンの法則にもあるように仕事は放っておくと無制限に増え、その対処の

ために人が増え、さらに仕事が増えることになります。 アメリカ赴任中に日本からの

赴任者は当初単なる担当者だったのに3代目には部長になるという笑い話が

語られたものです。 日本企業の海外赴任者は一般的に3、4年で交代します

実務的な担当者の後任はすぐに仕事ができるようにとの要請から現赴任者より

経験豊富な人が求められます。 語学のハンデ、環境への慣れ等を考慮すると

現赴任者が3年かけて築いた経験値を3ヶ月程度の短期間で引き継がなければ

ならないからです。 3ヶ月も長い方で時として2週間ほどの引き継ぎということも

あります。 しかし後任者は1年もすると環境にも慣れ、もともと実力はあるわけ

ですから仕事の幅を拡大してゆきます。 そして、次の交代も同じように少し実力の

ある人が赴任することになり、部長クラスになります。さらに悪いことに実務担当者

が必要になり赴任者が一人増えることになって、典型的なパーキンソンの法則が

成立するわけです

これらを防ぐ手段は仕事を半分にすることです 半分であれば上記の例でも

同格の実務担当者で十分な訳ですし、場合によっては半分のさらに半分、

四分の一を現地のスタッフに任せれば士気を高める効果もあり現地化が進むこと

になります

どうやって半分にするかということですが、意外に簡単で単純にリストアップした

自らの仕事の中で優先順位の低い仕事を止めてしまうということです

キーポイントは上司のメッッセージで、仕事を減らしなさいと言わないと実現しません

管理職の仕事は仕事を減らすことと思え!

仕事を減らすアイデアを出し、メンバーに奨励し、背中を押すことで実現します

みんなで仕事をなくそうをスローガンにしてみましょう

海外メデイアの日本を観る眼から学ぶ

日経新聞にFTコメンテイターのマーティン・ウルフとアメリカの元財務長官

ローレンス・サマーズの日本経済の現状と将来に関する意見が載っていました

日本の政府やマスコミに遠慮することなく忌憚のない意見だと感じましたが、同時に

国内のメディアでは何故このような意見が出てこないのかと不思議に思います

中国やロシアはいざ知らず、欧米各国では自国の政策に対しても率直な意見が

載るのは日常茶飯事で政府も政治家ももちろん各企業もこのような環境の中で

鍛えられると同時にしっかりと反論なり主張をしてゆくことを学びます。 これらの

積み重ねで論理的で説得力のある議論の進め方、いわゆる
“説明責任”

果してゆくのですが、日本のように厳しい議論のない国では鍛錬の場が与えられ

ません

スポーツの世界でもマスコミ対応は重要な“実力”の一部で有力国の選手は

コーチがついてマスコミ対応の練習をしています。 
ここにもルールがあって

例えば試合直後のインタビューでは

1.試合の結果など見ていればわかることは聞かない

2.質問は3つ程度

3.勝敗のキーポイントに対するコメントを聞く(視聴者が知りたがっている)

といったような暗黙のルールがあるので選手も準備ができるし、試合直後に長々と

インタビューが続くということを避けるようになっています。 日本選手も海外での

試合経験のある場合うまく対応しているようですが、逆に国内のマスコミ側の

対応ができていないケースが見受けられ、海外の有力選手に戸惑いが見られる

ことがあるような場合、ルールを知らないインタビューワーが恥ずかしくなります


ここでも“国際化”が進んでいないということになります

さて、冒頭のコメントですが
アベノミクスの限界、日本経済低迷の真の原因は

供給ではなく、需要不足だということ、労働力の減少に対して移民の受け入れが

不可欠というのが論旨になっています。 全く同感ですが、国内でこのような主張を

する人も、マスコミもほとんどいないのは何故でしょうか。 “お上には逆らわない”

ということであれば大問題です

皆がもっと多様な意見を戦わせることが重要だと感じます

企業はどうしてコーチを雇わないのか

企業はコンサルタントと契約することはあってもコーチと契約を締結することは稀です

例えば、新商品の開発が予定通りに行かない、売り上げが伸びないといった課題

に対してコンサルタントと契約することはあります。 この場合にコンサルタントに

期待することは何でしょうか? 課題は明らかになっているので求めることは

How to です。 しかし、多くの場合ある程度の成果はあるものの、提案通りに

実行できないために満足した結果が表れないことが多いのではないでしょうか

つまり、求めていることは実践です。

一方、業績の向上のためには何をすれば良いのか明確な指針ができていないような

場合もあります。 売り上げを伸ばすのか、コストを削減するのか、それとも他の

方法があるのか迷っているような場合はコンサルタントの出番です

このように考えると、企業の抱える課題はどうやって実践し、また行動を身につける

のかという場面が多いことがわかります。 経営者は方向性を打ち出しているのに

メンバーがその通りに実行できないために目標が達成できないということです

前回のラグビーの例でいえば、身体の大きな選手を集めるのか、それとも運動

能力の高い選手に必要な技術を身につけるのかという選択肢です。 すでにいる

選手を入れ替えるのは困難ですから、必要な技術をどのようにして身につける

のかが現実的な課題であり、また結果が出ないことが多いのです。 これまでの

日本チームもそんな状況だったのではないでしょうか。 しかし今回は責任ある

コーチを採用したために見事な結果が出たということでしょう

基本方針は組織が主体的に決めるべきですからコンサルタントの入り込む余地

は少なくなります。 かなり初期の段階ではコンサルタントの経験や知識、そして

分析能力が求められることもありますが、一度方針が決定すればそれぞれの役割

に応じた実践能力を身につけるためのコーチが必要です

スクラムのコーチ、タックルのコーチといった感じになります

企業の体質強化などでも同様で多くの企業で必要なことは専門的なコーチを

配置して実践力を高めることが重要です