“明日は何を新しく始めますか?”
これができれば目標管理は間違いなく成功する

そろそろ宴会政治からの脱却を

国会議員の夜の会食が話題になっていますが、二階幹事長によると遊んでいる訳

ではない、いろいろな打ち合わせをしているので単に会食にだけ的を絞った批判は

必ずしも適切ではないと釈明していましたが、真面目な話ならどこかの部屋でも

十分できる筈です

昔から料亭政治と呼ばれ、赤坂界隈の黒塀のある高級料亭が有名でしたが、さすがに

批判もあって無くなったもののやはり高級レストランや銀座の高級クラブが舞台に

なっているようです

料亭からレストランやクラブに「近代化」したのでしょうが、中身は相変わらずの

ようです

「腹芸」「阿吽の呼吸」「フィクサーの介在」が主で「国会論戦」は茶番になって

いるとしたら壮大な田舎芝居を見ているような感じです

そのためか「国会論戦」はとても議論というレベルになく抽象的情緒的で「今後は

しっかりやります」という答弁とそれに対し具体策や論理矛盾を突けない情けない

茶番になっているのは、裏で決まったことを是認しているからでしょう

日本でもトランプが出てきて本当のことをバラしてしまったら同じように熱狂的な

指示があるのかもしれませんし、それはヒットラーが政権を取った時のような背景

と同じことなのかもしれません

先日の森組織委員会会長の発言も会議では意見を言うなと言うことでしょうから

同じ体質だということです

「長い話は迷惑と言っているご本人が1時間の会議の冒頭で40分のご挨拶」程度の

ウィットに富んだ記事を書く記者がいないのは残念、2時間の会議でも1/3

1時間半の会議ならほぼ半分をご本人が話をしているのに、長い話ではないのか?

事実に基づく報道をきちっとした検証と数字で裏付けを取りしかし記事はウィットで

飾りつける、イギリス人ならこの程度のことを書くでしょう

私の現役時代には「意見を言わないなら会議に出るな」と言っていましたが、それは

民主主義の基本は議論を戦わせることでローマ帝国の時代から変わっていないから

です

そのローマでも帝政になって議論がなくなり皇帝礼賛の熱気の中で次第に活力が

失われ、崩壊したのは歴史が示すところです

「ローマは一日にしてならず」されど「崩壊は瞬時」と言うことを肝に命じておくべ

きです

BLM、トランプ、階級社会

何週間も考えた末BLM(Black Lives Matter)の日本語は「黒人も同じ人間だ」という

のが適切ではないかと結論付けました

日本では考えられませんが多くのアメリカ人(特に白人)にとって黒人や

ヒスパニックそしてアジア系も自分達と同列の階級に属する人間とは考えていません

考えていないというより生まれた時からの環境で刷り込まれているといっても良いで

しょう。自由・平等がアメリカの基本だと考えられているでしょうが、そもそも

イギリスで宗教的に迫害されていた人たちが「自由に」自分達の宗教を実践できる

ようにと海を渡って困難に打ち勝ち社会を築いてきたのです

国ができてから「自由」を求めて流入したイタリー系などは差別され、奴隷として

連れてこられた黒人も解放された後も同一レベルの人間だという認識は薄いのです

ですから変革には社会の意識とともに各個人の意識改革が必要でそれをBLMが示して

いるのです

ヨーロッパには今でも厳然とした貴族社会が存在します。彼らから見ると平民は

二級国民なのです

従って貴族の女性は平民の前で裸になるのは恥ずかしいことではないという感覚を

もっています。動物の前で裸になるのと同じ感覚と言っても良いでしょう

日本にはこのような階級社会はないと考えると理解を超えることですが、冷静に

分析すると日本でも似たようなことがあります

第二次対戦前の日本の植民地では日本人と現地人は国籍は同じでも一級国民

二級国民という差別があり、今でも正規社員と非正規社員というところに同根の

意識があります

もう一つ卑近な例を出すと技能実習生制度です。 最大5年間滞在できますが、この

資格では家族の帯同を認めていません

最近では海外駐在員でも家族帯同での一時帰国は毎年、少なくとも2年に一回程度は

認められているのに5年間も家族に会えないというのは非人道的ですが、非難する声

は大きくありません。根っこには同一の人間として捉えていない差別意識があります

トランプは無意識にこのような感覚を持つ白人層に訴えることで今でもかなりの

支持を維持しています

生まれた時の社会のあり方は自然に身についてしまいますので、変革には信念と

大きなエネルギーが必要で人類はこのような困難を何度も乗り越えて進歩を遂げて

きました

これからもみんなで意識して変革を成し遂げればより良い社会が生まれることは

間違いありません

マスクで表情が消える?

いつでも何処でもマスク着用になってきたのは最近の状況を考えると当然のこと

ですが、常時マスクをつけていると顔の表情筋が衰えてマスクを外しても表情が

作れなくなる恐れがあるという医者のコメントがありました

表情筋というものがあるのを初めて知りましたが確かに大きなマスクをかけていると

表情を示す機会はほとんどない上に相手の認識がしにくくなります

会議もリモートで、面談もリモートでという傾向が強くなっていますが、リモート

の場合、ほとんどの場合顔しか映りませんのでボディーランゲッジを使わなく

なります

イタリア人が話をするときに普段から大袈裟な動作を交えるようにボディー

ランゲッジは大切な要素ですし、大袈裟な動作の少ない日本人でも手の動きなどは

あります

しかしリモートになるとこのような部分が見えない上に顔の表情も少なくなって

しまうと更に情報量が少なくなってしまい、結果的に発せられた言葉に全ての

情報を頼るようになります

かつて多くの面接に関わった経験からすると、言葉だけでは判断を誤ったり会話が

過激になったり逆に遠慮が働きツッコミが甘くなる可能性が高くなります

短期的な対応としてマスクは必須ですが、長期的に表情筋の動きが少なくなったり

言葉以外での表現が少なくなってくると長期的にはコミュニケーションに大きな

障害が出てくるのではないかという危惧を抱きます

かつて海外で英語のスピーチをする場合、どうしても文法や発音を気にして事前

練習をすることが多いのですが家で一人で練習すると体全体や表情まで練習すること

が難しくなります、特に家族の前では恥ずかしさと聞く手も面倒なため練習に

なりません

こんな時あるアドバイザーに飼っている犬や猫を前にして練習しなさいと言われた

ことがあります

飼い犬や飼い猫が逃げ出したり寝てしまわないように表情や動作を工夫し、熱意が

伝わるようにすると自信がつきますということでした

個人的には将来的にもリモートが中心の世界にならないことを望みますが、表情を

鍛える訓練は必要になりますしとても重要です

唐鳳・デジタル担当政務委員

ある雑誌にコロナ対策で有名になった唐鳳(オードリー・タン)さんの記事が

ありましたが、いろいろと考えさせられる内容でした

いくつかのポイントを紹介します

民主主義について

私たちには、民主主義とは(民進党と国民党という)2大政党の争いではなく多くの

価値観を持つ人々が対話していくことだという考え方があったのです

現状の日本に当てはめると(与党と野党)の争いもなく、価値観をぶつけ合う場も

ないという状況です

メディアリテラシーについて

台湾では学校教育で取り組んでいます。教員が小学1年生に対しても、一つの

答案だけを覚えさせるのでなく、自分の考えを持つように促し、同級生と討論

させるのです

子供たちは教員の示す標準的な答えが必ずしも完全ではないと考え、自分で判断

するようになります。これを中学卒業まで続けています

日本の教育は依然としてマルバツ、つまり正解は一つという前提で全てが成り立って

いますので自分の考えをもったり、それを主張したりする訓練ができていません

国際機関で活躍する日本人が少ないのもこのような背景があります

ジェネレーションギャップについて

若年層と高齢層誰もが使えるパブリック・アクセスのためのフリーソフト

ウェアを開発し、台湾はインターネットで国民を監視するのではなく

インターネットに政府を監督する役割を求める開かれた社会を築いている

マイナンバー制度の普及が進まないように日本では上から目線の制度が

多くなっています

そしてこれらを総括してタンさんは国民が政府を信頼しているからこれらが

可能になった、コロナ対策についても個人情報を吸い上げる形で対策を実施

したが信頼感があったのでうまく機能したと述べています

最近の世論調査などを見ても現在の日本では政府に対する信頼感がほとんど

無いため同じような政策を提案しても機能しません

直近の緊急事態宣言の反応が如実に表しています

今年行われる総選挙では信頼できる人に投票しましょう

2021年を展望する

残念ながら2020年はコロナに振り回された年になりましたが、依然として収束の

兆しは見えません

数種類のワクチンが試験的に使用され先が見えたように考えがちですが世界全体に

接種が広まるのは一年以上かかりますので、普段の生活が安心して過ごせ、気楽に

旅行ができるようになるのは早くても2022年ごろでしょう

直近ではワクチン接種が始まった途端に安心感から却って感染が広まるかもしれ

ませんし、それ以上に心配なのはコロナ関連で支出された莫大な財政負担を

どうやって埋め合わせるかです

これだけ落ち込んだ経済では増税をするわけにもゆかず、かといって財政赤字を

ほったらかす訳にはゆきません

基軸通貨であるドルの発行元のアメリカや急速に拡大している中国元の発行元

である中国は紙幣をすれば取り敢えずの対策はできますが、それ以外の国は

何らかの手段を講じる必要があり、またアメリカや中国も自国通貨安というリスク

を背負います

日本の場合は30年前から産業構造の革新が必要だったにも拘わらず有効な政策が

実行されなかったので二重の負担を強いられることになりますが、コロナにかまけて

この一年何も議論もされずあたかも課題がなかったかのように思われています

一方で地球環境や世界的なデジタル化の流れは目の前にある訳ですから思い切った

発想の転換が求められます

「やらない勇気」を持つのも発想の転換です

コロナ感染を恐れず出かけたり会合を持つのは一見勇気のある態度と見られ

がちですがそれらをやらない勇気を持つべきです

本人のためでなく、家族,祖父母を守るために友達と会わない勇気を持てる

のが本当の勇気です

エピソードを一つ、平成13年夏場所 貴乃花対武蔵丸の千秋楽

右膝怪我の貴乃花が本割りであっさりと負けたものの、決定戦に勝ち優勝

殆どの人がその気力を賞賛しましたが、私はそう考えません

本割も不戦敗,決定戦も欠場で優勝できなければもっと賞賛された筈です

武蔵丸としては全力で対戦し怪我を悪化させ貴乃花の相撲人生を終わらせる

ようなことが有れば大変と考えればまともな相撲は取れません

貴乃花はスポーツマンシップに欠け,出ない勇気を持てなかったのです

今は出る勇気を称賛するより出ない勇気を称賛すべき時です

明けましておめでとうございます:言葉の重みについて

先日BBCのインタビュー番組でオバマ元大統領の話を聞く機会がありました

結論から言うと、インタビューアーの質問も適切で感情的なところがなくまた

その回答も一語一語考えながら筋道の通った回答で約20分の番組でしたが大変

聞き応えがありました

質問の趣旨は回想録に沿って何が重要で、何を考え、そして今何が大切かという

ようなことでしたが言葉の選び方、論理の進め方に一貫性があり厳しく指摘する

ところはしっかりと批判し、主張すべきことはその考え方の底にある事実から

とき起こして説得するような口調でじっくりと聞くことができました

番組終了後の感想としてこのようなインタビュー番組は日本のテレビ局では

見たことがないことに気付き、かつ残念な気持ちになりました

ちょうど安倍元首相のいわゆる会見のあとだったためにより一層そのような感想を

もったのかもしれません

あらためて日本の現状を意識することになりました

混乱の2020年が明け新しい年になりましたので年初のコメントを二つ

一つは、若者の外出が減らない原因の一つとしてTVを見ないのでメッセージが

伝わらないと言うコメントがありました。デジタル化を推進している政府は他国の

首脳のようにTwitterで呼び掛ければ効果があるかもしれませんがそのような話は

伝わってきません

これがデジタル化政策の本質で特定産業育成策という側面が大きいと感じられます

二つ目は,今日の日経新聞に経済学者の宇沢弘文教授の記事がありました

経済学の新しい役割を社会との接点で求めるべきという主張をした教授で1968年に

シカゴ大の教授から突然東大に戻った当時42歳のノーベル賞候補ともいわれた

人ですが、その東大復帰後の最初の授業を受けた時の驚きを思い出しました

数理経済の授業でしたが登壇し「日本での授業は初めてで、やり方がわかりません

がシカゴ大での授業と同じにやります」と言っていきなり黒板に参考文献

(もちろん英語)を羅列し授業を始めました

次回までにこれらの参考文献を買い、熟読し、質問があれば授業でという暗黙の

前提でした

30名ほどの受講者が徐々に減り最後は15名ほどになったのを覚えていますが

とても新鮮でした

最初の話題を含めて日本の現状を意識した新年になりました